1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62304036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 昌之介 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 千尋 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70114494)
山本 達男 順天堂大学, 医学部, 講師 (80095843)
江崎 孝行 岐阜大学, 医学部, 講師 (90151977)
寺脇 良郎 信州大学, 医学部, 教授 (10014333)
檀原 宏文 北里研究所, 細菌部第2室, 室長 (40114558)
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Keywords | 細菌 / 病原性 / ビルレンス / 遺伝子 / 分子遺伝学 / 病原細菌 |
Research Abstract |
第2年次に入り、各班員全般に著しい進展が見られ、一部はすでに論文として発表されたものもある。以下要点のみ記す。山本(耕)水口らは各々コレラ菌、腸炎ビブリオの溶血毒素遺伝子の構造・機能ヌビルレンスとの関連につき解析した。西渕らは耐熱溶血毒素の遺伝子プローブを用い、本遺伝子のビブリオ属における分布を調べ、多数の類縁毒素遺伝子を見つけた。山本(達)らは、ヒト回腸・空腸の粘液層、絨毛、パイエル板への、ビブリオ属、毒素原性大腸菌の粘着部位の特性を明らかにした。橋本らは腸球菌の有するプラスミドに存在するβ溶血毒素遺伝子に、機能的に異なる2つの領域を固定した。寺脇らは緑膿菌が産生する細胞毒素の1つを精製し、白血球への毒作用を中心に蛋白化学的解析を行ない、さらにその遺伝子性状も調べた。中澤らは、P.cepaciaの溶血毒の精製を試み、その生化学的性状とその産生に関わる遺伝子の単離を試みた。大西らは、Bacteroidesのビルレンス因子の遺伝的解析を目指し、本菌と大腸菌のシャトルベクターを作製し、又本菌の電気的孔あけ法による形質転換に成功した。吉村らは本菌の線毛形成遺伝子の解析を行った。井上らは薬剤耐性プラスミドR100の伝達性遺伝子の1つtraTによる補体抵抗性の作用機作を、遺伝学ならびに免疫的手法を組合せ解析した。牧野らはらい菌表面抗原蛋白産生遺伝子の単離を試み、又太田らは病原性大腸菌における○多糖の役割と、その合成遺伝子の解析を試みた。岩谷らは毒素原性大腸菌の易熱性毒素遺伝子片を合成、一部改変しプローブとして菌の同定に応用を試みた。関崎らは鶏病原性大腸菌の表層物質とビルレンスの関りを調べ、檀原、寺門らはサルモネ、プラスミド上のビルレンス遺伝子の解析を行った。江崎らはチフス菌の、笹川らはB群赤痢菌の各々染色体上のビルレンス因子を、又渡辺、岡村らはD群プラスミド上のビルレンス因子の遺伝解析を行った。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] M.Yoshikawa.: Microbiol.Sci.5. 333-339 (1988)
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[Publications] C.Sasakawa.: J.Bacteriol.170. 2480-2484 (1988)
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[Publications] T.Sakai.: Mol.Microbiol.2. 589-597 (1988)
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[Publications] S.Makino.: Microbial Pathogenesis. 5. 267-274 (1988)
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[Publications] M-C.Lett: J.Bacteriol.171. 353-355 (1989)
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[Publications] M.Yamada.: Mol.Microbiol.3. 207-213 (1989)
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[Publications] B.Adler.: Mol.Microbiol.in press. (1989)
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[Publications] T.Yamamoto.: Infect.Immun.56. 2753-2759 (1988)
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[Publications] T.Yamamoto.: J.Clin.Microbiol.26. 2018-2024 (1988)
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[Publications] T.Yamamoto.: FEMS Microbiol.Lett. 55. 335-340 (1988)
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[Publications] T.Yamamoto.: Infect.Immun.56. 3241-3250 (1988)
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[Publications] K.Kawahara.: Microbial.Pathogenesis. 4. 155-163 (1988)
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[Publications] N.Terakado.: J.Gen.Microbiol.134. 2089-2093 (1988)
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[Publications] T.Hayashi.: Microbial Pathogenesis. 6. (1989)
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[Publications] S.Liu.: Infect.Immun.56. 1967-1973 (1987)