1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62304062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 清子 大阪大学, 理学部, 助教授 (30028138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新免 輝男 東京大学, 理学部, 助教授 (80114510)
馬渕 一誠 東京大学, 教養学部, 助教授 (40012520)
毛利 秀雄 東京大学, 教養学部, 教授 (70012268)
渡辺 良雄 筑波大学, 生物科学系, 教授 (00015918)
石川 春律 群馬大学, 医学部, 教授 (90010058)
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Keywords | 細胞骨格 / アクチン / ミオシン / チューブリン / ダイニン / 細胞運動 / 細胞分裂 / カルシウム |
Research Abstract |
非筋細胞の運動には,著しい形態の変化と細胞自身の移動を伴うことが多い. その運動を担う細胞骨格は常に構築ー解体ー運搬ー再構築をくり返す. その調節機構の解明に努めた. ウニ卵では精子侵入部でアクチンの重合が始まり表層部全域に波動状に重合が伝わる. アクチン繊維を架橋する225K蛋白質を単離し性質を明らかにした(馬渕). ウニ卵受精時の表層胞の開口分泌へのアクチンの関与を光顕で(黒田),腎・肝細胞内のアクチン繊維束の分布配列を電顕的に(石川)示した. ヒトデ卵の成熟時の微小管の分布の変化と,チューブリン修飾へのCa^<2+>の関与を明らかにした(毛利). ウニ卵の雄性発生のタイミングから,微小管の構造に係わるものが核分裂のトリガーであることを示唆した(米田). 渦鞭毛虫の紡錘体微小管の消長と染色体運動の特異的な関係を明らかにした(佐藤). ダイニン抗体の細胞内顕微注射による核分裂期Bおよび紡錘体形成へのダイニンの役割を示した(伊豆津). 粘菌変形体では収縮弛緩に伴って,アクトミオシンからなる複屈折繊維が現われたり消失したりする. 複折繊維は収縮毎に少しづつ位置を変えることを明らかにした(秦野). 免疫電顕で検討した結果この収縮性繊維の中には収縮弛緩時共にミオシンのシックフィラメントは見出されなかった(石上). 粘菌カフェインドロップ内のCa^<2+>の動態をエクオリンで調べると原形質のゾル化がおきているところでCa^<2+>濃度が高い(吉本). アメーバでも原形質のゾル化に高濃度のCa^<2+>が関与していると考えられる(黒田). 車軸藻の原形質流動に関しては,動因座近傍の粘度の変化を検討し(上坪),流動に対するアデニンヌクオチドと無機燐酸の効果を定量的に測定した(新免). チョウチンミドロの光転位運動と微小管の動態を調べた(永井). テトラヒメナのアクチンの一次構造を遺伝子解析から明らかにし,既知のアクチンとの比較からその性質機能を追求し,この特殊なアクチンも細胞運動に係っていることを示した(渡辺).
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 黒田清子: 生体の科学. 39. 35-38 (1988)
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[Publications] Ishigami.M;K.Kuroda;S.Hatano: J.Cell Biol.105. 381-386 (1987)
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[Publications] Kuroda.K;Y.Yoshimoto;Y.Hiramoto: Protoplasma. (1988)
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[Publications] Yoshimoto.Y;K.Kuroda;Y.Hiramoto: in preparation.
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[Publications] Hirono.M;H.Endoh;N.Okada;O.Numata;Y.Watanabe: J.Mol.Biol.194. 181-192 (1987)
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[Publications] Hirono.M;M.Nakamura;M.Tsunemoto;T.Yasuda;H.Ohba;O.Numata;Y.Wataname: J.Biochem.102. 537-545 (1987)