1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62410002
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
薗田 稔 国学院大学, 文学部, 教授 (30052145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 栄 国学院大学, 日本文化研究所, 講師 (70200326)
宇野 正人 江戸川女子短期大学, 助教授 (50183207)
岡田 荘司 国学院大学, 文学部, 助教授 (60146735)
杉山 林継 国学院大学, 日本文化研究所, 助教授 (90158973)
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Keywords | 自然環境 / コスモロジ- / 国府祭 / 総社 / 普遍性と特殊性 |
Research Abstract |
平成元年度は、助成を頂ける最後の年であったので、先年度までの知見により、日本の祭を自然環境との問題で考える場合、どうしても古代国府の祭に源を発し、現在に伝承されている各地の国府祭(総社の祭)のコスモロジ-の普遍性と特殊性の調査研究を深めなければならないことに気付いた。そのため、最後の年度ではあるが、国府祭の事例研究に力を注いだ。そのことによって下記のような知見を加えることが出来た。 1、遠江淡海国魂神社、武蔵大国魂神社、尾張大国霊神社の祭礼の調査を完了。若狭総社神社、加賀石部神社、能登総社、丹波宗神社、但馬気多神社、因幡一宮、伯耆国庁裏神社、出雲六所神社、播磨射立兵主神社、紀伊府守神社、淡路十一明神神社、阿波八幡総社両神社、讃岐総社神社、などへ出かけ、資料収集をおこなった。その結果、国府の神社として祭られている各地の総社及び国魂神社の祭神が、大己貴命(大国主命)である場合が多く、しかも、大己貴命のミアレが、神社の創建となっているという共通性がみられる。さらに、その祭日が5月5ー6日という共通性も発見できた。加えて、自然環境の問題で言えば、神社の立地が、盆地であり、秀麗な幾つかの山に囲まれている。その山々が、大和三山にならって、三山と呼ぶ幾つかの例を知ることが出来た。自然環境からの新しい分析視点が抽出できた。 2、また、前年度からの継続で、三信遠地域の山間部に伝承されている神楽形式の祭の研究成果の映像化もおこなった。自然環境の読み込み構造と祭の演目構成の分析など、調査研究の成果をふんだんに取り入れた(研究成果として提出)。 3、以上の成果とデ-タベ-スを組み合せ(ほぼ満足できる水準にまでデ-タを蓄積出来た)、これを分析することで、短期間に、日本の祭について思いもかけない成果が生れるものと思う。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 薗田稔: "「神道、聖なる神々ー古代性と現代」" 『歴史読本』臨時増刊号. 第34巻・18号. 44-51 (1989)
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[Publications] 岡田荘司: "「中臣祓信仰について」" 『神道古典研究』. 10号. (1989)
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[Publications] 茂木栄、島田潔: "「『暗闇祭』構成の持続と変化ー武蔵総社大国魂神社例大祭の観察ー」国府祭研究(一)" 『国学院大学日本文化研究所紀要』. 第64輯. 140-207 (1989)
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[Publications] 茂木栄: "「民俗学の大嘗祭論などについて」" 『農政と民俗』. 第五号. 41-53 (1990)
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[Publications] 薗田稔: "「祭一家郷の原像」" 『日本思想I』岩波書店. (1989)
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[Publications] 薗田稔、宇野正人、茂木栄: "「沿岸の祭と内陸の祭」『日本の沿岸文化』" 古今書院, 194-201 (1989)
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[Publications] 薗田稔、茂木栄、井沢正裕: "『MATSURI JAPAN,LAND OF FESTIVALS』" 神社本庁, 22 (1989)