1988 Fiscal Year Annual Research Report
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62440090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀田 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30190218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 尚雄 名古屋大学, 理学部, 助手 (60022703)
伊藤 道夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (70022671)
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Keywords | 減数分裂 / 分子間組換え / 分子内組換え / Dーloop形成 / Strand-exchange / ATPー依存性組換え酵素(m-rec) / ATPー非依存性組換え酵素(mAiーrec) / 花粉母細胞 |
Research Abstract |
減数分裂は有性生殖には不可欠の過程であり、特に減数分裂前期に起る遺伝子組換え頻度は体細胞遺伝子組換えの10^2〜10^4倍であり、個体発生のうちで最高頻度である。粉母細胞を中心に以下のような成果を得た。 1.DNA分子間組換えに於ても、DNA分子内組換えであってもその第一段階はD-loop形成やStrand-exchangeであると考えれられる。この反応を行うATPー依存性組換え酵素(mーrec)の研究がなされたが、前年度よりの継続研究によりATPー非依存性組換え酵素(mAiーrec)の解析がなされた。この酵素が大腸菌recA蛋白に対する抗体の一つに反応したことを利用し、花粉母細胞内分布や消長の測定を免疫細胞学的に行った。酵素蛋白活性と定量とからmAiーrecも減数分裂前期で合成されるが、mーrecのように組換え完了後消失せず核内に続いて存在することを示した。同一機能をもつ2種の蛋白が同時に存在することは減数分裂前期の染色体行動の保存性(酵母からヒトまで)と関連して重要である。 2.減数分裂を通じて細胞蛋白の消長を2次元クロマト法で調査し、減数分裂前DNA合成期特異的スポット3ケ、前期特異的スポット15ケ、第2分裂特異的スポット1ケを認定し、N端アミノ酸配列を試みた。3種のもので部分的に配列が決められたが、試料をより多く収集し量的に分析成果を高めること、技術的に逆層カラムクロマト法などを使って改良していくことになった。 3.シナプトネマ構造蛋白が精製され、2次元クロマト法で分析された。抗体作成、遺伝子のクローン化に進展しつつあるが、試料(花粉母細胞)の不足が目立った。 本年度は地味な分析調査的成果を得たが、次年度に機能解析的実験が可能となってきた。(代表者が教室主任を終るので、進展が予期される。)
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Research Products
(8 results)
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[Publications] A.Higashitani;et al.: Chromosoma.
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[Publications] A.Higashitani;et al.: 植物学雑誌.
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[Publications] F.Hirose;et al.: Experimental Cell Research. (1989)
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[Publications] I.Tanaka;M.Ito: Plant and Cell Physiology.
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[Publications] H.Miyata: Canadaian Jour.Microbiol.
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[Publications] A.Higashitani;et al.: Zoological Science. 5. 1246 (1988)
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[Publications] 堀田康雄: "減数分裂と遺伝子組換え" 東京大学出版会, 1-163 (1988)
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[Publications] Yasuo Hotta;Satoshi Tabata: "The 7th Seminar on Science and Technology.Molecular Biology Meiosis and General Recombination." 交流協会, 153-166 (1988)