1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480180
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平良 一彦 琉球大学, 医学部, 助教授 (40039540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 俊久 琉球大学, 医学部, 教授
宮城 重二 琉球大学, 医学部, 助手 (00117590)
佐藤 弘明 琉球大学, 医学部, 助手 (40101472)
名嘉 幸一 琉球大学, 医学部, 助教授 (90117581)
崎原 盛造 琉球大学, 医学部, 教授 (60045060)
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Keywords | 健康老人 / モラ-ル / 交友 / 加齢 / 死亡構造 / 小児成人病 / 肥満 |
Research Abstract |
本研究の最終年次の追求課題は、調査地域(大宜味村)の老人の精神心理的側面の特徴、各種指標と加齢との関連性、死亡構造の特徴、児童・生徒の健康像を明らかにすることであった。調査はおおむね順調にすすめられ、成績は以下のごとく要約される。 1.調査地域の老人のモラ-ルに関する要因についての調査結果から(1)男性ではADL障害の有無、女性では健康度自己評価が、モラ-ルに大きな影響を及ぼす。(2)対人関係の依存パタ-ンの分析結果から、男性は子供・配偶者が重要であり、女性は友人関係であった。このことから特に女性老人の場合、家族以外の人と親密な関係をもつことがモラ-ルを高める大きな要因となることが示唆された。 2.調査地域の過去10年の集検の成績より(1)身長は男女共に年齢とともに低下し、特に女性では顕著であった。(2)体重は男女共に加齢による減少は見られず、女性の40歳、50歳代では逆に増加していた。(3)血圧は収縮期血圧は加齢とともに上昇傾向を示し、拡張期血圧は40歳代では上昇し、逆に50歳以降は加齢とともに減少傾向を示した。 3.調査地域住民の過去10年間の死亡の特徴は、男性が女性よりかなり高く、70歳代まで有意差が見られた。また死因の特徴は男性では40歳〜69歳、70歳以上の両群で悪性新生物が多く、女性では40歳〜69歳で多かった悪性新生物が、70歳以上では特に少なかった。 4.小・中・高校生を対象とした検診成績から成人病予防の観点から何らかの指導・管理を要すると思われる者が15%程みられた。血液生化学値を肥満度別に検討した結果、性、年齢を問わず肥満群は非肥満群に比べ、高血圧、高脂血症などの成人病発生のリスクが高いことが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 牧山文彦,平良一彦,宮城重二,崎原盛造,松崎俊久: "沖縄県大宜味村老人の老化と死亡に関する研究ー加齢による各種測定値の変化ー" 第59回日本衛生学会総会講演集 日本衛生学雑誌. 44. 336 (1989)
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[Publications] 崎原盛造,佐藤弘明,平良一彦,宮城重二,松崎俊久,上野満雄: "老人のソ-シャルネットワ-クー沖縄と秋田の比較ー" 第54回日本民族衛生学会総会 民族衛生. 55. 112-113 (1989)
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[Publications] 永山清,平良一彦,牧山文彦,宮城重二,當山冨士子,松崎俊久: "沖縄本島北部の児童・生徒の健康ー肥満度別にみた血圧,血液生化学値を中心にー" 第21回沖縄県公衆衛生学会抄録. 16 (1990)
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[Publications] 須山靖男,上野満雄,松崎俊久,平良一彦,崎原盛造: "高齢者の世帯構成別にみた健康度と食品摂取パタ-ンー沖縄県大宜味村における調査ー" 第21回沖縄県公衆衛生学会抄録. 17 (1990)
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[Publications] 近藤功行,名嘉幸一,伊志嶺育子,平良一彦: "ある長寿村における老人の生活実態調査ー老年期のより良い生き方をめぐってー"