1987 Fiscal Year Annual Research Report
K_<0.30>MoO_3狭帯域雑音の低温での研究
Project/Area Number |
62540230
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
堤 喜登美 岩手大学, 教育学部, 講師 (20143323)
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Keywords | 電荷密度波 / スイッチング現象 / オームの法則に従わない電気伝導 / スライディング運動 |
Research Abstract |
K_<0.30>MoO_3の狭帯域雑音を低温で測定し, K_<0.30>MoO_3における電荷密度波の低温における挙動に関する新しい知見を得る事が当初の目的であったが, 東京大学から岩手大学への転任に伴い, 狭帯域雑音測定装置の使用が不可能となり, 研究目的を変更しざるえなくなり, 次のように変更した. 「K_<0.30>MoO_3における電荷密度波の低温での挙動に関する新しい知見を得る」が新しい目的である. このため今年度は低温での電流・電圧特性を測定するために, 4Kから77Kまでの任意の温度に試料を長時間保持出来るクライオスタットを作製し, 電流・電圧特性の温度変化を測定した. その結果, 電荷密度波のスライディング運動に起因するオームの法則に従わない電気伝導が低温になると著しく変化することがわかった. すなわち, 77Kではオームの法則に従わない電気伝導が非常に小さな変化として観測されるのに, 4Kでは非常に急激な変化として観されるようなる. この急激な電気伝導の変化はスイッチング現象といわれている. このスイッチング現象がK_<0.30>MoO_3の電荷密度波の低温における挙動の特徴であることがわかった.
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