1987 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ジルコニウム上での水素関連反応機構の赤外分光法による研究
Project/Area Number |
62540320
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大西 孝治 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70011492)
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Keywords | 酸化ジルコニウム / 水素吸着 / 水素 / 重水素同位体効果 / 一酸化炭素の水素化反応 |
Research Abstract |
本研究では酸化ジルコニウム上での水素に関連した反応機構を赤外分光法によって追跡することを目的としている. 酸化ジルコニウムは究めて安定であるが水素の活性化に対して高活性を示し, またその上では一酸化炭素の水素化反応によるメタノールやイソブテンなどの反応が選択的に進行する. 1.グリース・フリー反応系の製作: 高感度赤外分光器で測定するためにグリース・フリーの反応系を製作した. また赤外用セルは石英製として-180°Cから800°Cまでの広い温度領域で使用が可能なもを製作した. 2.水素の吸着種:700°Cで高温処理したZrO_2上にHzを導入し, その吸着状態を赤外吸収法によって調べた結果4種類の吸着状態が存在することが明らかとなった. (1)-100°C以下で物理吸着している分子H_2, (2)-100〜100°Cで存在するHZrH吸着種, (3)室温〜150°Cで不均一的に解離吸着するZrOH, ZrH種, および(4)200°C以上で存在するZrOH種が見出された. これらの性質を詳細に調べた. またD_2Dを用いて同位体効果を調べた結果, 不均一解離吸着についてその効果があることが見出された. 3.COの水素化反応: 室温にてH_2-COの混合ガスをZrO_2上に導入すると直ちに表面反応が起り含酸素吸着種が検出された. 180°Cで反応を進めると表面にギ酸イオンとメトシドが現われた. 400°Cでは表面にはギ酸イオンとメトキシドのみが存在し, このうちメトキシドがメタノールやイソブテン生成に直接関連していることが明らかとなった.
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Research Products
(1 results)