1988 Fiscal Year Annual Research Report
天然配糖体ギムネマ酸同族体の糖識別機能に対する抑制作用とその構造・活性相関
Project/Area Number |
62540426
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井元 敏明 鳥取大学, 医学部, 助教授 (70037331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 美智夫 鳥取大学, 医学部, 助手 (20093627)
笠木 健 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50031993)
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Keywords | ギムネマ・シルベスタ / ギムネマ酸 / ブドウ糖輸送 / グルコシルトランスフェラーゼ |
Research Abstract |
われわれはこれまで、インド産植物ギムネマ・シルベスタの葉から抽出されるトリテルペン配糖体ギムネマ酸が、小腸におけるブドウ糖吸収を抑制したり、抗う蝕効果を示すなど、様々な生理活性を有することを明らかにしてきた。しかしながらこれまでの研究においては、多くの同族体の混合物としてのギムネマ酸が用いられてきた。したがって、ギムネマ酸の作用について、さらに詳細な検討を加えるためには、各々の同族体を分離して、その構造活性相関を明らかにする必要がある。 本年度は、分取用高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、同族体を構造決定に耐え得る純度で単離することから研究を開始した。その結果6種類の同族体を分離することができ、質量分析、核磁気共鳴法により、それぞれの同族体に結合している脂肪酸の種類、数、位置を決定した。 さらに単離した同族体について、甘味感覚抑制作用、抗う蝕効果(グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)に対する阻害作用)、腸管におけるブドウ糖吸収抑制を検討した。その結果、ギムネマ酸がこれら三つの作用を発現するためには、トリテルペン骨格に少くとも一個の脂肪酸が結合していることが必須であること、および、とくにGTaseに対する阻害作用の程度は、HPLCから決定した同族体成分の疏水性の指標と良い相関を示すことが明らかとなった。 今後さらに同族体へ単離を進める一方、糖成分としてのグルクロン酸を他の糖に変えるなど、ギムネマ酸にさまざまな修飾を加えて、生理活性への影響を検討することが必要である。
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