1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540506
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 裕一郎 岡山大学, 理学部, 助手 (50183447)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II反応中心 / 電子供与体 / クロロフィル / サブユニット構造 / ヨウ素ラベル / ペプチドマッピング / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
系II反応中心の酸化側に存在する高電位電子供与体(ZまたはD)の結合部位を固定するため, 生化学的解析を行った. 1.ヨウ素ラベルによるD結合サブユニットの同定. 系IIの酸化側に存在する電子伝達成分Dは, 暗所でその酸化型が安定に存在する. 暗所でのヨウ素ラベルの実験によりD2たんぱくが特異的にラベルされると平行して, D^4がヨウ素イオンにより還元され, そのEPRシグナルが減少することを明らかにした. その結果, DはD2たんぱくに存在すると結論した. すでに, 反応中心クロロフィルのP680の電子供与体又はD1たんぱくに存在することを示しているが, 両たんぱくの一次, 二次構造がよく似ていること. Z+とD^+のEPRシグナルの超微細構造が同一であることから, ヨウ素ラベルされたのはZとDの本体である. D1とD2たんぱくに保存されている161番目のチロシン残基であることを指摘した. 2.ペプチドマッピングによるD1たんぱくのZ結合部位の固定 明条件下でZにより光酸化されたヨウ素によりラベルされたD1たんぱくの部位を同定することにより, Z結合部位のアミノ酸レベルでの同定を試みた. D1たんぱくをトリプトファン, メチオニン, グルタミン酸のC末で特異的に切断しペプチドマッピングを行い, ヨウ素ラベルされた断片の分子量から, アルギニンー140からメチニオンー172の領域に特異的な修飾部位が存在すると結論した. この領域にはチロシンー161が含まれている. 今後, この断片の一次配列を決定することにより, ヨウ素化された残基を同定したいと考えている. また同じ方法により, D2たんぱくのヨウ素ラベルされた残基を固定し, D1たんぱくの結果と比較していきたいと考えている.
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[Publications] Yuichiro Takahashi;Orjan Hansson;Paul Mathis;Kimiyuki Satoh: Biochimica Biophysica et Acta. 893. 49-59 (1987)
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[Publications] Yuichiro Takahashi;Stenbjorn Styring: FEBS Letters. 223. 371-375 (1987)
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[Publications] Naoto Yamaguchi;Yuichiro Takahashi;Kimiyuki Satoh: Plant and Cell Physiology. 29. 123-129 (1988)