1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540506
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 裕一郎 岡山大学, 理学部, 助手 (50183447)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II反応中心 / 2次電子供与体 / ヨウ素ラベル / チロシン / 反応中心サブユニット / C末端アミノ酸配列 |
Research Abstract |
1.光化学系II反応中心サブユニットD1とD2の大量精製 D1とD2は疎水性の高い蛋白で存在量もチラコイド膜蛋白の1%以下と少なく更に相同性が高いことからその精製は難しいとされてきた。本研究ではホウレンソウから得たD1とD2に富む光化学系II反応中心標品をSDSで解体した後、ゲル濾過を用いた高速液体クロマトグラフィーによりこの蛋白を大量に精製することに成功した。更に純化したD1とD2をカルボキシペプチターゼと処理させた結果、D1のC末はアラニン-344、D2のC末はロイシン-353であることが分った。DNAの塩基配列から推定された一次構造との比較からD1はC末の9残基がプロセスされ失われているが、D2はプロセスされていないと結論した。 2.ヨウ素化による2次電子供与体として働くD1上のチロシンの同定 光化学系IIの2次電子供与体として働くチロシンが、ヨウ素イオンを酸化することによりヨウ素化されることを利用して、このチロシンがD1上にある12残基のチロシンのどれであるかを同定することを試みた。Zの働きによりヨウ素化されたD1をメチオニンのC末側でCMBrにより切断した後ペプチドマッピングを行うと見かけの分子量約3kDaの断片が特異的にヨウ素化される。このようにして得たペプチド断片を濃縮した後、N末からのアミノ酸配列を決めたところ、グリシン-128からメチオニン-172から構成される断片であることが分った。この領域のヨウ素化される残基はチロシン-147と-161であるが、D1の一次構造から推定した高次構造からチラコイド膜の内腔側にあるチロシン-161がZであると考えられる。後、ラジオシークエンスによりヨウ素化されたチロシンが161番目のものであるかを確定していきたい。
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[Publications] Yuichiro Takahashi.: Biochimaica et Biophysica Acta. (1989)
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[Publications] Yuichiro Takahashi.: Journal of Biological Chemistry.
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[Publications] 高橋裕一郎: 蛋白質・核酸・酵素. (1989)