1987 Fiscal Year Annual Research Report
実機稼動を模擬した不規則波下におけるタービン用材料の高温フレッティング疲労
Project/Area Number |
62550053
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武藤 睦治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00107137)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 正和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00134974)
田中 紘一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90143817)
|
Keywords | 疲労 / フレッティング疲労 / 相対すべり量 / 高温 / き裂伝ぱ / 破壊力学 / 寿命評価 / 蒸気タービン用部材 |
Research Abstract |
蒸気タービン用部材を用いて, 高温(773K)でのフレッティング疲労試験を行ない, 室温でのフレッティング疲労試験結果およびそれぞれの温度での通常疲労試験結果と比較し, また接触材治具剛性の影響を調べた. さらに, フレッティング疲労き裂伝ぱ寿命を弾塑性破壊力学的手法を用いて予測し, 実験結果と比較した. その結果次の結論を得た. (1)本供試材のフレッティングによる疲労寿命および疲労限の低下は室温および773Kのいずれにおいても顕著であった. (2)試験片と接触材間の摩擦係数は, 相対すべり振幅または応力振幅に比例して上昇したが, 巨視的すべりが生じる領域に入るとほぼ一定値に飽和する. その飽和値は室温および773Kともに0.8程度であった. 摩擦係数は室温と773Kでほぼ等しかった. (3)摩擦係数に対する接触治具剛性の影響は顕著で, 剛性の低い治具(タイプS)の摩擦係数は高い物(タイプH)の半分程度となった. これに対応し, タイプSの場合のフレッティング疲労限は, 通常疲労のそれの0.6〜0.8となり, 強度の低下は少なかったが, タイプH治具においては, 1/3と強度の低下は顕著であった. (4)フレッティング疲労試験を中断し, 通常疲労試験を継続して行なうフレッティング中断疲労試験結果によると, 全寿命の0.4倍以内の繰返し後の中断ではき裂は停留してしまうが, それ以上の繰返し後の中断では, その影響は認められず, 全寿命にわたりフレッティングをうけた場合とほぼ等しい寿命を与えた. (5)疲労き裂伝ぱ試験結果をもとに, フレッティング中断疲労試験結果, 停留き裂観察結果, 繰返し応力ひずみ特性などを参照し, フレッティング疲労試験中のき裂伝ぱ寿命の破壊力学的推定を行ったところ, 推定値は実験値と良い一致を示した.
|
-
[Publications] 佐藤豊一, 武藤睦治, 田中紘一, 岡崎正和, 角田英治: 日本機械学会論文集.
-
[Publications] 佐藤豊一, 武藤睦治, 田中紘一, 岡崎正和, 角田英治: 機械学会シンポジウム「竒酷使用条件下の材料の破壊と破壊の学」.