1987 Fiscal Year Annual Research Report
大規模系の実用的同定アルゴリズムの開発とその有機的融合による運用システムの構築
Project/Area Number |
62550313
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
相良 節夫 九州大学, 工学部, 教授 (60037679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 純一 九州大学, 工学部, 助手 (60190914)
檀上 光昭 九州大学, 工学部, 助手 (70032026)
和田 清 九州大学, 工学部, 助教授 (60125127)
熊丸 耕介 九州大学, 工学部, 教授 (30037949)
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Keywords | 多変数線形システム / 未知パタン変動システム / 分布定数系 / 電力系統 / 同定 / 故障診断 / 未知境界条件の推定 / 電力負荷予測 |
Research Abstract |
本研究では, 対象とするシステムとして, 1)多変数線形システム 2)未知パタン変動システム 3)分布定数システム 4)電力システム の4つを考えている. まず, 多変数線形システムについては, 従来提案されていなかった正準形と入出力表現との相互変換法に可同定性の問題が生じることが明かとなった. また, 入出力に観測雑音がある場合に適用可能なバイアス補償最小2乗法を開発した. さらに, オンライン最小2乗同定アルゴリズムの数値的不安定性については, 同定対象に加わる雑音の構造に強く依存することを理論的に指摘し, シミュレーションによって確認した. 未知パタン変動システムについては, システム構造パラメータの一つに予期せぬ変動が生じた場合の故障モデルとして, 運動方程式における未知バイアス変動を伴う方向付き付加急変モデルを考案した. 診断法としては, 並列カルマンフィルタを用いたパラメータ監視方式によるシステム異常検出を第一レベルとし, 第二レベルでは一般化尤度比検定法による故障同定を行う階層的診断法を考え, この階層化によりオンライン故障診断を可能にした. また, 上記故障モデルに基づく状態推定を通して得られるイノベーション勾配情報を用いて, 動特性故障かセンサ故障かを識別診断する手法を考案した. 分布定数システムについては, 非線形未知境界システムの同定手法を開発し, 高温面冷却システムへの適用をはかり, 充分とはいえないが, 熱流束特性を推定可能であることを明らかにした. また, 非線形系の同定問題における解の不安定性についてシミュレーションにより検討を行った. 電力システムについては, 気温情報から翌日の電力負荷を予測する手法を開発し, 年間平均3%未満の誤差で予測可能であることを確認した. また, 発電機制御の新しい方式を提案し, 簡単な構成で従来の制御系に比べよりロバストな系が構成できることを示した.
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[Publications] 相良節夫: 九州大学工学集報. 60. 443-449 (1987)
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[Publications] 熊丸耕介: システムと制御. 31. 792-799 (1987)
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[Publications] 和田清: 計測自動制御学会論文集. 23. 1084-1090 (1987)