1988 Fiscal Year Annual Research Report
流動床による二相嫌気性消化法の効率化と菌体付着能の増大に関する研究
Project/Area Number |
62550396
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 玉友 東北大学, 工学部, 助手 (30201106)
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Keywords | 二相嫌気性消化 / 嫌気性流動床 / メタン生成相 / 生物膜形成 / 付着性 |
Research Abstract |
酢酸、プロピオン酸、n酪酸から成る混合酸に少量のグルコースを添加した基質を用い、一定負荷の下、流入基質濃度を変化させる実験を行い、基質濃度が基質除去特性や床内菌体量にどのような影響を及ぼすかについて、反応槽として内径10cm、高さ120cm(上気層部15cm)のアクリル製二重円筒を用い、担体として粒径0.27mmの粒状活性炭を用いて検討した。その結果、流出水中の全有機酸濃度は20〜50mg/lと極めて低く保たれ、流出水のグルコース濃度は実験期間を通じて数mg/l程度であり、グルコース無添加の系との差異が見られず、グルコースはほぼ完全に分解している。流入基質濃度の増大に対して、床内タンパク質濃度は増大し、床内に菌体が蓄積するが、比COD除去速度は低下する。これは菌体中における活性のある部分の割合が減少することを示している。すなわち、流入基質濃度の増大にともない、増大した床内タンパク質の多くは、不活性な余剰菌体であることが知られる。 また、嫌気性細菌の付着について検討を行うために、様々な基質で培養した嫌気性消化混合液に、疎水性物質である炭化水素(n-hexadecane)を加え、n-hexadecaneへの細菌類の吸着の様子を観察することにより、細菌の疎水性を調べ、嫌気性細菌の付着機構を解明しようとした。実験に用いた試料は、デンプンを気質とするメタン生成相汚泥、蟻酸を単一基質とする酸生成相汚泥、混合酸を基質とするメタン生成相汚泥、酢酸を単一基質とするメタン生成相汚泥、下水試験法による硫酸還元菌用培地で培養した硫酸還元菌集積汚泥、ベビーミルクを基質とする嫌気性消化汚泥およびセルロースを基質とする嫌気性消化汚泥の7種類であった。実験は3回行ったが、実験結果にかなり変動があり明確な見解は得られなかった。しかし、嫌気性細菌の疎水性を調べることにより、担体への付着機構の解明もある程度可能になると思われる。
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Research Products
(2 results)