1987 Fiscal Year Annual Research Report
複合化合物(化合物半導体, ニューセラミック)の生成熱の測定
Project/Area Number |
62550481
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井口 泰孝 東北大学, 工学部, 教授 (90005413)
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Keywords | 熱量計 / 溶解熱 / 生成熱 / カロリメーター / 化合物半導体 / セラミックス |
Research Abstract |
研究計画に従い, 以下に現在の研究の進行状況を述べる. 1.1000°C程度の高温まで使用可能で温度分布が良好で温度変動の少ない熱容量の大きな加熱炉を設計し製作した. 直径1200mm高さ1200mmの大きさで発熱体はコイル状に巻いた鉄-クロム線である. 以下のヒーターには一定の電力を供給し, 中央部のヒーターを高精度の温度制御器と接続した. 現在昇温状況, 精密で, 精度よい温度制御の方法, 及び炉内の温度分布, 更に最適で広い温度均熱域を得る上下のヒーターへの最適供給電力の条件を探している. 2.設置する熱量計本体はCalvetタイプの双子型熱量計とし, 溶解熱熱量計の概要はシカゴ大学のクレッパ教授の装置を参考に最高使用温度850°Cを目標としその設計を行った. 熱シンクの本体の材質として純銅を採用したが, 重量が150Kg以上あり, 現在, その鍜造及び機械加工を行っている. 3.反応容器の材質, 形状の検討を行っている. 溶媒用容器の材質としては化合物半導体用としては石英, 酸化物用としては白金を試験し, 溶質の添加方法についても検討している. 更に熱移動媒体及び温度変化検出のため約100対のアルメルークロメル熱電対を用いるがその設置方法及び加工方法について検討している. 4.溶媒の検討:溶解熱熱量計で最も大切なことは溶質を容易に溶解し, 溶質に対して特異な相互作用を持たない安定な溶媒を見つけ出すことである. そこで本研究では化合物半導体を対象として鉛, 錫など金属系及び酸化物系のニューセラミックスに対してはNa_2O-PbO,B_2O_3,Na_2O-B_2O_3などの低融点の溶融酸化物について文献, データの調査と共に実際に溶解を行うなどして検討している.
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