1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550648
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
内山 吉隆 金沢大学, 工学部, 教授 (20019748)
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Keywords | ゴムの氷上摩擦 / 接触圧力 / ゴム材質 / 摩擦係数 / 摩擦速度 / 接触面のせん断強さ / トライボロジー |
Research Abstract |
0℃付近における氷上のゴムの摩擦係数の低下の原因究明と、摩擦係数に及ぼす接触圧力、摩擦速度の影響について研究を行った。さらにゴム材料の種類によって摩擦係数がどのように変化するかについても検討を行った。 実験はピン-ディスクの摩擦試験機を用い、-20℃のから0℃の範囲でゴムピンと氷ディスクとの摩擦を行い、摩擦係数の測定及び氷裏面からの接触面の観察を行った。得られた研究結果は以下の通りである。 1.氷とゴムの摩擦に及ぼす温度及び接触圧力の影響 天然ゴム(NR)を氷とほぼ0.2MPaの接触圧力で摩擦したところ、-20℃ では摩擦係数は1.4であり、-15℃、-10℃、-5℃;0℃と温度が高くなる と、それぞれ1.3、0.5、0.3、0.2と低下した。このように-15℃から -10℃とにかけての摩擦係数の低下は著しく、また、-5℃かS0℃にかけては極 端に低い値を示している。各摩擦係数は高接触圧力になるほど低下を示し、接触圧力 が0.8MPaでは、0.2MPaの値の約半分に低下した。表面観察より、接触面 のせん断強さは単調に圧力に比例した。 2.氷とゴムとの摩擦に及ぼす摩擦速度の影響 -15℃、接触圧力0.6MPaにおいて、摩擦速度0.04〜15cm/sの範囲で氷と天然ゴムとの摩擦係数を測定した。0.04cm/sの低速では0.4と擦係数は低いが、速度の増加とともに上昇し、4cm/s付近では極大に達し、0.9の値を示した。より高速では摩擦係数は低下し始め、15cm/sでは0.7までさがり、このように氷とゴムの摩擦係数は速度に依存する。 3.氷とゴムとの摩擦に及ぼすゴム材質の影響 天然ゴム及びブタジエンゴムと氷との摩擦を行ったところ、ブタジエンゴムに比べ天然ゴムの方が-20℃から-15℃において摩擦係数は約2倍を示し高いが、-5℃から0℃にかけてはあまり差のない低い値を示した。
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