1988 Fiscal Year Annual Research Report
世界のヨシノメバエ属の種分化に係わる交尾信号の研究
Project/Area Number |
62560048
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Research Institution | School of Medicine, Kurume University |
Principal Investigator |
上宮 健吉 久留米大学, 医学部, 講師 (40080965)
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Keywords | ヨシノメバエ属 / 配偶行動 / 種分化 / 交尾音 / 音響特性 / リリーサー / 地理的固有性 / 配偶者認知システム |
Research Abstract |
農水省禁止品輸入許可により以下の8ケ国からヨシノメバエ属の生きた材料を入手した。イギリス(1種)、ベルギー(4)、東ドイツ(4)、西ドイツ(1)、チェコスロバキア(4)、ハンガリー(4)、ブルガリア(2)、ラトビア(1)。羽化した成虫雌雄を、同地域や異地域のペアで雄の交尾信号と雌の反応信号を録音し、配偶行動と雌の反応性、交尾成功率を調べた。別に、強制交雑によってこれら4種の異地域間、日本産の同種あるいは近縁種との妊性率を調べた。録音した個体はlucensが100頭(信号数17,287個)、ソ連邦産新種8頭(897個)、similis4頭(225個)、rufitarsis16頭(1,358個)、Pullitarsis 16頭(22個)に達した。これらの信号の数、オシログラム、周波数スペクトルの音響特性を全種について解析した。得られた数値データは、多変量解析法の2群間の平均値の差の検定、2群及び多群の判別分析、クラスター分析の諸法によって、信号パラメータの差の比較や集団の非類似度、群別を計算した。異地域雄の信号に対する雌の応答信号の程度、交雑による妊性も、ヨーロッパと日本産の組み合せで調査し、雄の信号に含まれるリリーサー部分の決定や、その変異性、地理的固有性から考察した。交尾失敗が配偶者認知システムのどのような機序に係わっているかを調べた。リリーサー要素の決定は人工的な振動信号を可変して雌に再生し、反応性を知ることで決定した。 国内の種類について新旧のデータをまとめ、japonicaで31地域305頭(信号21,857個)、rufitarsisで25地域80個体(1,358個)、未記載種のainoで3地域24個体(2,327個)、brevipilosaで2地域19個体(1,196個)、vallicolaで4地域16個体(220個)等を測定した。新しく、長野県塩沢湖からrufitarsis群の1新種と、石垣島から南西諸島で初めて1種を発見した。ヨシへの強制加振する種的パターンを、体のサイズ、飛翔音、生活形の違いから考察し、種分化や系統発生の歴史性を考察した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 上宮健吉: 騒音制御. 13. 45-52 (1984)
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[Publications] 上宮健吉: 久留米大学論叢. 38. (1984)
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[Publications] Kanmiya,K.: Kontyu.
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[Publications] Kanmiya,K.:Nartshuk,E.P.: Kontyu.