1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560087
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
徳村 彰 徳島大学, 薬学部, 助手 (00035560)
|
Keywords | 血小板活性化因子(PAF) / ビタミンE欠乏 / アセチルトランスフェラーゼ / アセチルヒドラーゼ / ラット好中球 |
Research Abstract |
ビタミンE欠乏食あるいはビタミンE添加食で4〜5ヶ月間, 飼育したラットの腹腔内にカゼインを投与し, 遊走してくる好中球をパーコール密度勾配遠心法を用いて単離した. 得られた好中球を走化性ペプチドで刺激し, 産生されるPAFをウサギ洗浄血小板の凝集能を利用する高感度の生物検定法で定量したところ, E欠乏ラットから得た好中球のPAF産生量はE負荷ラット好中球のそれに比べ, 約2倍高いことが明らかとなった. 両群のラット好中球のホモジネートを酵素源として, PAF生合成酵素(アセチルトランスフェラーゼ)とPAF分解酵素(アセチルヒドラーゼ)の酵素活性を測定した. E欠乏群のアセチルトランスフェラーゼ活性は2.279±0.066nmol/mg protein/minであり, E添加群の酵素活性(1.063±0.103)に比べて有意に高い値を示した. 一方, E欠乏群とE添加群でのアセチルヒドラーゼ活性はそれぞれ, 4.256±0.709および4.258±0.066nmol/mg protein/minであり, 両群には有意な差は認められなかった. E欠乏好中球ホモジネートにビタミンEを添加してもアセチルトランスフェラーゼ活性は全く影響を受けなかった. 反応速度論的解析より, ビタミンE欠乏群と添加群ではアセチルトランスフェラーゼのVmaxが異なることが判明した. 以上の結果から, 食餌性ビタミンEが炎症の化学伝達物質であるPAFの産生量を調節することにより, 炎症が関係する各種疾患の予防に寄与しうることが示唆された.
|