1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 寛道 東京大学, 農学部, 助手 (60134508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昭憲 東京大学, 農学部, 教授 (90011907)
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Keywords | カイコ / 羽化ホルモン / 神経ペプチド / アミノ酸配列 / クローニング / DNAの塩基配列分析 |
Research Abstract |
カイコ羽化ホルモンは分子量約7000の神経ペプチドでこれまでにN末端から61残基のアミノ酸配列が明らかになっているが, 得られたホルモンの量が微量なために最終構造を出すまでには至っていない. そこで, 羽化ホルモン遺伝子をクローニングし, 塩基配列を解析することにより, アミノ酸配列を決定することを試みた. カイコ3令幼虫からゲノムDNAを調製し, これをSau3AIで限定分解したDNA断片を常法によりλファージEMBL3に組み込みin vitroパッケージングにより6×10^6のゲノムライブラリーを作製した. プローブとしてTyr^^8-Phe^^<25>の18残基に相当する54merのユニークなオリゴヌクレオチドを合成し, この5'末端をγ-32P-ATPでラベルした後, プラークハイブリダイゼイションを行った. 合計約14万個のプラークをスクリーニングした結果, 4つのクローンを得た. このうちプローブと比較的強くハイブリダイズするクローン(λEH102, λEH103と命名)について制限酵素地図を作製した. その結果, プローブとハイブリダイズする部分はλEH102ではBamHI-BamHIの4kb断片に, λEH103ではSa1I-Sa1Iの1.7kb断片に存在することがわかった. そこで, まずλEH102についてさらに解析を進めた. BamHI-BamHIの4kb断片をプラスミドpUC18にサブクローニングし, 再度制限酵素による切断とサザンハイブリダイゼイションによって目的の遺伝子がBamHI-HindIIIの0.5kb断片に存在することがわかった. ダイデオキシ法によってこの断片の塩基配列を解析したところ, 475bpの全配列を決定できたが, プローブと高い相同性をもつ部分は存在しなかった. このうち, BamHI切断部位から412〜427の16bpにおいてプローブと完全に一致する配列が存在することから, おそらくこの部分とのハイブリダイゼーションにより誤って選択されたものと考えられた. 現在, λEH103のクローンについて同様に解析中である.
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