1987 Fiscal Year Annual Research Report
北海道西岸沖合に来遊するスケドウダラ魚群構造と回遊に関する研究
Project/Area Number |
62560181
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前田 辰昭 北海道大学, 水産学部, 教授 (00001595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 省吾 北海道大学, 水産学部, 助手 (60179421)
中谷 敏邦 北海道大学, 水産学部, 助手 (80188979)
高橋 豊美 北海道大学, 水産学部, 助教授 (40002349)
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Keywords | スケドウダラ / 日本海北部 / 海況 / 分布回遊 / 体長組成 / 生息深度 |
Research Abstract |
北海道西岸の後志および桧山沖合に来遊するスケトウダラ魚群の分布回遊と魚群構造を解明するため, 本年度の当初計画通り2回の試験を実施した. 1.第1回調査:昭和62年10月18〜28日に北大水産学部練習船北星丸を用い, 水温, 塩分, 動物プランクトンの調査28地点と, 航走中に魚探すを使用して魚群観察をし, 魚群密度が高い6地点で中層トロール試験をして標本魚の採集をした. その結果, 後志および桧山沖合に生息していた魚群の鉛直分布は, 沿岸部の陸棚斜面上では200m以浅にも出現したが, 主として水温0.5°C帯に多く, 対馬暖流が強く深層にまで影響していた沿岸域では一般に深く, 主群が400〜450m層に出現した. これに対して, 日本海中央部の亜寒帯水域では分布層が150〜350m層と浅い. また, 水平分布は, 南北方向では岩内湾を中心とした後志沖合が低密度で, 桧山沖合に濃密群が出現し, 南高北低の密度分布を示した. この分布密度が昭和62年11月から始まった料期の漁況に反映し, 魚群密度が高かった桧山沖合で好漁であったのに対し, 後志沖合では不漁に終っており, 10月の魚群密度調査から漁況予測が可能であることが示唆された. 一方, 東西方向では調査時期が産卵前期に当ることから, 孛解期の夏期に魚群が多く生息していたのであろうと考えられる日本海中央部の亜寒帯水域では低密度であったのに対し, 沿岸域で濃密であった. 6地点で採集された中層トロールによる採集標本魚は, 体長40cm前後の5〜6才魚が多く, 35cm前後の4才魚と30cm前後の3才魚も出現した. 特に1984年に発生した3才魚は卓越年級群の可能性が強く, 今後の動向が注目される. 2.第2回調査: 産卵後の魚群回遊を調査するため, 昭和63年3月14日に地元漁業者の強力によって4隻の調査船を用い, 産卵場中心部の相沼から2部沖合でテンテン釣によるスケトウダラ釣獲をし, そのうち活力の強い577尾に標識をして放流した.
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Research Products
(1 results)