1988 Fiscal Year Annual Research Report
グリシン開裂系構成酵素遺伝子間での遺伝子発現調節の機能的関係の解析
Project/Area Number |
62570101
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
平賀 紘一 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (40004733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅之 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (50166823)
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Keywords | 複数遺伝子の協調的発現 / グリシン開裂系 / グリシン脱炭酸酵素cDNA / H-蛋白cDNA / 遺伝子の臓器特異的発現調節 |
Research Abstract |
(1)前年度から、ニワトリ肝cDNAライブラリーからグリシン脱炭酸酵素とH-蛋白をそれぞれコードするcDNAをクローン化し、構造解析を行い、更に、これらのcDNAをプローブとして、両遺伝子の発現の協調性を調べてきた。得られた両種のcDNAは共に5'側の非翻訳領域を欠いていた。またH-蛋白cDNAには2種の異なる分子種が存在した。これは3'側非翻訳領域にある2ケ所のポリ(A)附加シグナルの使い分けによっていたが、この中で、遠位のシグナルを使う1.3KbのmRNAを鋳型とするcDNAは3'側非翻訳領域の一部を欠き、ポリ(A)部分も持たなかった。 (2)一方、ヒト肝cDNAライブラリーからも、上記2種の蛋白をコードするcDNAを別々にクローン化できた。ヒトのグリシン脱炭酸酵素cDNAは3783塩基長であり、ヒトH-蛋白cDNAは1191塩基長であった。また、前者は150塩基の5'側非翻訳領域を含み、後者のそれは92塩基であった。両cDNA共にポリ(A)部分を約20塩基ずつ各々の3'末端に持っていたので、両蛋白をそれぞれコードする遺伝子の構造を解析する上でニワトリのcDNAに比べると十分な情報を5'3'両端に持つと言える。 (3)ヒトcDNAの有利さを生かし、次にヒトのゲノムライブラリーからグリンシ脱炭酸酵素遺伝子とH-蛋白遺伝子を各々クローン化し、構造解析を行っている。H-蛋白遺伝子は約30kb長を得ているが、このDNAはcDNAの全長をコードしていた。一方、グリシン脱炭酸酵素遺伝子をコードするゲノムDNAは、現在約50kbを得ているが、cDNAの3'側に対応する部分を欠いているように見える。 (4)これら2種の遺伝子断片を使い、まず転写開始点を決め、次にその上流部位に分布するはずのプロモーターやエンハンサー領域を確定し、その構造を明らかにすることにより、両遺伝子の発現調節機構を十分解明し得る条件を本年度の研究で整えた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hiraga,K.;Kure,S.;Yamamoto,M.;Ishiguro,Y.;Suzuki,T.: Biochem.Biophys.Res.Commun.151. 758-762 (1988)
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[Publications] Kume,A.;Kure,S.;Tada,K.;Hiraga,K.: Biochem.Biophys.Res.Commun.154. 292-297 (1988)
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[Publications] Yamaoto,N.;Hiraga,K.: J.Biol.Chem.
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[Publications] Kure,S.;Kume,A.;Ishiguro,Y.;Hiraga,K.: J.Biol.Chem.
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[Publications] Kume,A.;Sakakibara,T.;Koyata,H.;Ishiguro,Y.;Kure,S.;Tada,K.;Hiraga,K.: J.Bilo.Chem.
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[Publications] 平賀紘一: 蛋白質・核酸・酵素. 33. 526-528 (1988)