1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570233
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松下 敏夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70117472)
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Keywords | オクラ / 接触皮膚炎 / 皮膚貼布試験(パッチテスト) / 皮膚アレルギー |
Research Abstract |
前年度に引き続き、オクラ栽培作業に起因する皮膚障害について、現地疫学的に明らかにするとともに、原因成分の究明を実験的に検討し予防対策について考察した。その結果の概要は以下の通りである。 1.鹿児島県南薩地方のオクラ栽培作業者(オクラ群)89名について農薬およびオクラ成分に対するアレルギー検査を実施し、あわせて皮膚障害に関する問診を実施。非オクラ栽培従事者(非オクラ群)29名についても同様の調査を行なった。その結果、オクラ群の53.9%が皮膚かぶれの経験を有し、症状その他、前年度の調査とほぼ同様の結果が得られた。オクラ成分の皮膚貼布試験ではオクラ群の15.7%が陽性を示し、オクラ群は非オクラ群に比べ、女子は男子に比べ陽性率が若干高い傾向が見られた。オクラ成分のプリックテストでは6.7%が陽性を示した。 2.オクラ成分および使用農薬の向皮膚作用をモルモットを用いて実験的に検討した結果、オクラ成分(収穫直後の莢果に付着している分泌液およびオクラ薄切片より浸出する粘液様物質)には一次刺激性が認められたものの感作性、光毒性に認めるには至らなかった。また、農薬DDVP chlorotahlonilに、中程度の光感作性が認められた。これらの結果は、疫学調査結果や文献との不一致部分もあり、さらに検討が必要だ。 3.以上の結果および他県における状況について収穫した資料より予防対策について考察した。オクラによる皮膚障害の発生は、収集・管理作業では気象条件とも密接な関係があり、防水・暑熱対策と作業性を考慮した有効な保護具の着用が不可欠であり、また直接手指へ頻回接触する袋詰作業では作業性を損わず有効な防御も可能な保護手袋の着用が大切である。その他、植付時の畔幅の検討や樹葉の拡がりを適切に固定させる方法の検討など、樹葉との接触を最小限にする栽培方法も有効と思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松下敏夫: 産業医学. 30. 724 (1988)
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[Publications] 萬田芙美: 日本農村医学会雑誌. 37. 190-191 (1988)
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[Publications] 上田厚: 日本衛生学雑誌.
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[Publications] 松下敏夫: 産業医学.
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[Publications] Matsuhita,T.: Contact Dermatitis.