1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570274
|
Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
菱田 繁 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10068463)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 忠昭 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80155209)
|
Keywords | Wister / Long-Evans / Lewis / Fischer / アルコール嗜好性 / 近系交配 / Alcohol / diet / 遺伝的背景 |
Research Abstract |
前年度(昭和62年度)に完成させた、ラットの水-アルコール弁別自発摂取装置を用いて、以下の実験を行い、二三の興味ある結果が得られた。 (1)、ラットの系統別によるアルコール嗜好性の差について: Wister系、Long-Evans系、Lewis系、およびFischer系の合計4系統のラットについて、各々のアルコール嗜好性を調べたところ、Lewis系ラットで高アルコール嗜好性ラットの出現頻度がもっとも高く、次いで、Wister系ラット、Fischer系ラットが続き、Long-Evans系ラットで、その出現頻度がもっとも低いことがわかった。 (2)、高アルコール嗜好性ラット間による近系交配実験: Wister系ラットにおいて、高いアルコール嗜好性を示す雄ラットと雌ラットを近系交配させ、生れたラットのアルコール嗜好性を調べたところ、親ラットよりも高いアルコール嗜好性を示すラットが生れることがわかった。 (3)、慢性アルコール投与によるラットのアルコール嗜好性変化について: Wister系ラットを、Alcohol diet(オリエンタル酵母社製液体飼料)で、10週間にわたってアルコールを慢性的に投与し、各々のラットのアルコール投与前と後における嗜好性を比較したところ、後天的にアルコールにその個体を暴露させることによっても、上昇することがわかった。 今年度は、残念ながら、より高いアルコール嗜好性ラットの産生を得るための基礎的な調査に終ったが、今度は、この一連の基礎実験で得られた高いアルコール嗜好性ラットについて、各種の生化学的データーを蓄積し、ラットのアルコール嗜好性の遺伝的背景との関係を検討していきたい。
|