1988 Fiscal Year Annual Research Report
In situ ハイブリダイゼーション法による単純ヘルペス.潜伏感染機構の実験的研究
Project/Area Number |
62570356
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 正三 東北大学, 医学部, 助手 (80108498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 哲朗 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (20171978)
高瀬 貞夫 東北大学, 医学部, 助教授 (60004983)
関沢 剛 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (50150264)
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Keywords | ヘルペス脳炎 / in situ hybridization法 / HSV-1抗原 / 核酸 / 免疫組織化学法 |
Research Abstract |
〔対象と方法〕(1)単純ヘルペス脳炎剖検凍結脳を用いて、免疫組織化学法により、脳内に浸潤したリンパ球サブセットおよび数種のサイトカインの同定を行い、ウィルス核酸との関連を検討した。(2)リンパ球サブセットの検出はLeuシリーズ(Becton Dickinson)モノクロナール抗体、サイトカインはGenzyme社製のIL6、TNF_β(Lymphotoxin)、IFN_αを用いた。さらにin situ hybridization法により、同時にHSV-1と核酸の検出も行った。いずれもABC法により検出を行ったが、抗原の同時検出の場合はHistogen社製のものを用いた。 〔結果〕今回の実験に供した剖検脳は13病日に死亡した症例であるが、HSV-1抗原は脳構成細胞の多くに検出され、神経細胞、グリア、血管内皮細胞などがみられた。リンパ球サブセットではHLA-Dr陽性細胞の出現は多く、その周辺にHSV-1RNA陽性細胞がみられた。さらにLen1,4陽性細胞、Leu3_α(CD8)も少数ながら出現したが、Leu2_α(CD4)、Leu12(CD19)非常に少数であった。しかし、IL6陽性細胞、TNF_β陽性細胞さらにIFN_α陽性細胞は多数出現し、病巣内に、びまん性に検出された。対照として行ったSSPE脳でも同様にサイトカイン陽性細胞は多数みられたが、多発性硬化症剖検脳では少数しか検出されなかった 〔結論〕今回のヘルペス脳炎剖検症例は細胞反応に乏しかったが、IFN_α、TNF_β、IL6などのサイトカイン陽性細胞は多数出現したことから、ヘルペスウィルスに対する宿主免疫反応は正常に行われているが、脳内に侵入したヘルペスウィルスは脳構成細胞にすべて感染、浸潤、汲及〓、壊死巣を形成すると考えられた。 今〓、ヘルペス感染動物モデルを用いて、さらにHSV-1と宿主免疫機構との関連を明らかにする必要があると考えられた。
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[Publications] 中村正三、Tourtellotte,WW;Shapshok,P: Brain and Nerve. 39. 725-731 (1987)
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[Publications] Shapshak,P;Tourtellotte,WW;Nakamura,S et al: J.Neuroscience Res.16. 281-301 (1986)
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[Publications] Sekizawa,T.;Nakamura,S.;Hayashi,R. et al: Brit.Med.J.295. 813 (1987)
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[Publications] 中村正三: 神経進歩. 30. 959-968 (1986)
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[Publications] Yoshioka,M.;Nakamura,S.;Nagono,I. et al: Brain"Res".
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[Publications] Nakamura,S.;Nagono,I.;Yoshiokak,M. et al: J.Exp Med.