1987 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコッドリアサイトパチーにおける電子伝達系酵素蛋白の解析
Project/Area Number |
62570411
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮林 重明 東北大学, 医学部・付属病院・小児科, 講師 (20174203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒羽根 郁夫 東北大学, 医学部・付属病院・小児科, 医員
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Keywords | ミトコンドリアサイトパチー / cytochrome C oxidase 欠損症 / NADH-coQ reductase欠損症 / 免疫ブロット / 免疫組織化学 / 培養線維芽細胞 / Digitonin 処理 / 組織特異性 |
Research Abstract |
我々はこれまで先天性高乳酸血症110例の患者の検索を行ってきた. Cytochrome c oxidase(CCO)欠損症11例の検討では, 全身型3例, 筋型1例, 乳児致死型2例, 脳筋型5例である. これらの筋ミトコンドリアの抗CCO抗体を用いた免疫プロットにおいては, 特定なサブユニットの欠損はなくいずれも全体のサブユニットの減少として現れた. 全身型の培養線維芽細胞を用いても, 同様な結果であった. そこで, 酵素蛋白発現機構を細胞ラベリング法を用いることにより現在検討中である. 組織化学染色, および免疫組織化学的検索では従来より言われている部分欠損は細胞間のモザイクを示したが, 乳児致死型例の中に筋線維内のモザイクも見られた. これらはミトコンドリアレベルでの多様性をとっていた. NADH-COQ reductase欠損症はこれまで筋組織の検索で4例見いだしているが, 同酵素欠損における組織特異性については十分に検討されていない. 我々はCCO欠損症での事実をもとに培養線維芽細胞での同酵素測定法の開発を進めた. 培養線維芽細胞での電子伝達系酵素活性測定は, ミトコンドリアの分離が必要で必ずしも容易ではなく, またその意義も確立されていなかった. そこで今回digitonir処理細胞ホモジネートを用いることにより, 少量の線維芽細胞で電子伝達系酵素の活性を測定する方法を検討した. その結果培養線維芽細胞での欠損例7例を見いだし筋での検討も踏まえるとCCO欠損症同様組織特異性の存在が明らかになった. これらの免疫プロットにおいても同様に, 全体のサブユニットの欠損がみられ, CCO同様細胞ラベリングで検討する予定である. 設備費として用いたオートクレーブ, 冷蔵庫, 電気永動装置はそれぞれ培養, 検体, 試薬, 抗体保存, 免疫ブロット等の実験に使用している. その他の費用は, 胎児血清, 試薬, 電気永動ゲル等の購入に用いた.
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[Publications] S.Miyabayashi: J. Inher. Metab. Dis. 10. 289-292 (1987)
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[Publications] 宮林 重明: 臨床神経学. 27. 1561-1563 (1987)
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[Publications] 宮林 重明: 代謝(代謝病ハイライト).
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[Publications] 宮林 重明: 蛋白質・核酸・酵素.
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[Publications] 宮林 重明: 小児科診療. 51.
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[Publications] 宮林 重明: 小児医学. 21.