1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570411
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮林 重明 東北大学, 医学部付属病院, 講師 (20174203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩野谷 和裕 東北大学, 医学部付属病院, 助手 (00208414)
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Keywords | ミトコンドリア電子伝達系酸素欠損症 / 複合体IV欠損症 / 複合体I欠損症 / 免疫ブロット / CCO活性電顕 / 細胞毎のモザイク / ミトコンドリアDNA |
Research Abstract |
昨年度は主に複合体IV(CCO)欠損症にて検討したので、昭和63年度は他のミトコンドリア(mt.)電子伝達系酸素欠損の様式を生科学的、免疫生科学的方法により検討した。結果は、 1)筋組織で複合体(CO)I欠損が証明された7例全例が臨床的にはMELASの症状をとり、これらの筋mt.の免疫ブロットでは特定なサブユニット(SU)の欠損ではなく全体のSUの減少を認めた。特に高分子と低分子のSUの低下が著名であった。一部の例でCCO蛋白の僅かな低下を認めたが、COIIIにたいするCRM(cross-reacting matorial)は正常に存在していた。11例のうち6例は培養線維芽細胞でも検討をおこなったがCOI活性は正常であった。培養線維芽細胞でもCOIの欠損している4例は全身型と考えられ、臨床的にMELASと違って乳幼児期に発症し、早期死亡する例が多かった。 2)全身型のCCO欠損症3例は、CCO蛋白の全SUの均一な低下が全組織にみられたが、COI及びCOIIIに対するCRMの低下は認めなかった。 重症致死型CCO欠損症の筋mt.ではCCO蛋白のみではなく特にCOIに対するCRM著名な低下を認め、肝.腎でも同様であったが、脳でのCOIは正常に存在していた。COIIIの免疫ブロットは筋で低下を認めたが、他の組織では正常であった。さらにこれら患者の培養線維芽細胞でmt.のCCO活性を電顕的に検索したところ細胞内及び細胞間でmt.CCO活性染色陽性と陰性の混在認め、細胞内モザイクを示した。同所見は筋組織でも認められた。 4)筋部分CCO欠損症では、3例に筋でCCOのみならずCOIの低下を認めたが、他の組織では正常であった。これらの例は活性の低下に比例して免疫ブロットでのCRMの低下も認めた。さらに臨床的にMERRF像をとった2例で、電顕CCO活性染色において活性陽性線維と陰性線維の筋線維毎のモザイクを示した。以上の結果よりCCO活性に細胞毎のモザイクを示す例や、COI欠損症でcvt.b欠損を合併する例などは、mt.DNAの異常(deletion、poent mutation)が想定された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Tanaka: Pediatr Res.24. 447-454 (1989)
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[Publications] 宮林重明: 蛋白質、核酸、酸素. 33 (5). 421-423 (1988)
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[Publications] 宮林市重明: 小児科診療. 51. 1061-1607 (1988)
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[Publications] S.Miyabayashi: J.Inher.Metab.Dis.(1989)
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[Publications] C.C.Su: Neuroadiology. (1989)
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[Publications] K.Haginoya: Neurology. (1989)