1988 Fiscal Year Annual Research Report
金属焼付陶材の焼成速度と残留応力の関係に関する研究
Project/Area Number |
62570878
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浅岡 憲三 徳島大学, 医学部, 助教授 (50014189)
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Keywords | 残留応力 / 金属とセラミックスの接合 / 複合材料 / 歯科補綴物の応力解析 / 熱変形 / 粘弾性応力解析 |
Research Abstract |
歯科材料学の分野での合金・陶材接合問題に関する研究の動向を整理し、本研究の位置付けをした(日本金属学会会報に掲載)。 転移温度域での陶材の応力緩和現象、材料の熱膨張・収縮挙動が冷却過程と加熱過程とで異なることに着目し、その相互関係を明確にして、シミュレーション・プログラムを開発した。そして、陶材の変形温度が合金・陶材積層板中に応力が生じ始める温度と一致することが明らかにされた。市販焼付用陶材の変形温度と加熱速度との関係について調べ、材料間の熱・機械的性質の違いと陶材の焼付方法との関係について検討した。パラジウム基の二元合金(Pd-Ag:Pd-Cu:Pd-Co)について、温度依存の熱膨張係数を状態図、融点、鋳造偏析、相変態との関係で調べ、合金組成と熱膨張係数の関係を明らかにし、焼付用合金開発の指針を示した。また、市販焼付用合金について、温度依存の熱膨張係数を調べ、貴金属系の合金と卑金属系合金を比較し、陶材焼付時の適合性を検討した。その結果、卑金属系の合金では鋳造後のマクロ偏析が大きい。従って、鋳放し材では熱膨張係数の温度依存性が大きくなり、合金の鋳造性に関する特性が、技工上の問題になることが示された。 補綴物の形態と適合性との問題を明らかにする目的で、平板モデル、円筒モデル、球殻モデルでの積層材中の残留応力分布の違いについて検討し、在来の合金・陶材間の適合性に関する評価方法に問題があることを指摘した。 加熱・冷却の方法と適合性の問題については現在、シミュレーション・プログラムを開発中であり、次年度に明らかにする予定である。 上記の研究に利用されたプログラム、材料の熱・機械的性質に関する資料は、パーソナル・コンピュータでの利用に供する為の準備を終え、次年度に移行する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] 浅岡憲三: 歯科材料・器材. 6-特9. 17-18 (1987)
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[Publications] 浅岡憲三: 日本材料学会、第36期 学術講演会前刷. 250-252 (1987)
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[Publications] 浅岡憲三: 歯科材料・器械. 6-特10. 124-125 (1987)
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[Publications] 浅岡憲三: 日本複合材料学会第12回複合材料シンポジウム講演要旨集. 13-16 (1987)
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[Publications] 浅岡憲三: Journal of Dental Research. 67-Spe.1212 (1988)
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[Publications] 浅岡憲三: Transactions of the 3rd World Biomaterials Congress. 11. 518 (1988)
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[Publications] 浅岡憲三: 歯科材料・器械. 7-特11. 119-120 (1988)
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[Publications] 浅岡憲三: 歯科材料・器械. 7-特12. 253-254 (1988)
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[Publications] 浅岡憲三: 日本金属学会会報. 28(2). 124-128 (1989)
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[Publications] 浅岡憲三: Journal of Dental Research. 68-Spe.Abst. (1989)
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[Publications] 浅岡憲三: Dental Materials Journal. 8(1). (1989)
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[Publications] 浅岡憲三: Journal of Dental Research.