1987 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液腺細胞と口腔癌細胞との細胞融合による形質転換と抗癌因子の解析
Project/Area Number |
62570902
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平岩 清貴 徳島大学, 歯学部, 助手 (30173214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 清一郎 徳島大学, 歯学部・附属病院, 医員 (20180565)
長山 勝 徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)
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Keywords | 唾液腺細胞 / コラーゲンゲル / 口腔癌細胞 / 薬剤耐性株 / クローニング / 細胞融合 |
Research Abstract |
舌扁平上皮癌由来ZK-1細胞6-チオグアニン耐性株の分離は培養液の6-チオグアニン添加濃度を段階的に高めて培養し, 分離した. 分離された6-チオグアニン耐性細胞株は形態的変化のない事およびHAT培地にて増殖不可能な事を確認した. また, 細胞融合時に融合細胞以外の両親細胞を1度に選択排除するためにZK-1・6-チオグアニン耐性株細胞はさらにウワバインに対しても耐性とすべくウワバイン濃度を段階的に高めて培養し, 6-チオグアニン・ウワバイン耐性細胞株を選択分離した. 両剤耐性の本細胞株を遺伝的に均一にするため限界希釈法にて2回クローニングを繰り返し, クローン細胞系を複数分離した. 現在, 各クローンの増殖率, ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ活性, 細胞表面抗原等について, 選択前のZK-1細胞とその性質を比較検討している. 舌下腺細胞はコラゲナーゼ・プロナーゼ溶液を用いて, 酵素消化を行い, コラーゲンゲル内培養法にてまずその形態を観察した. 舌下腺上皮細胞はコラーゲンゲル内で星状の細胞突起を出して, あるいは嚢胞状に増殖していた. しかし, 増殖率は極めて低く, これを改善するために培養液中にコレラトキシンとインスリンを添加することにより増殖が数倍促進されることを確認した. 舌下腺上皮初代培養でも線維芽細胞の混入が軽度に認められ, コラーゲンゲル内培養によるクローニングや濃度勾配遠心法による細胞分画, 分離が必要と考えられた. そのため, コラーゲンゲル内培養によるコロニー形成法でクローニングを試みたが, コラーゲンゲル内で培養された舌下腺上皮細胞は継代培養することにより数代で脱分化し, クローニングした細胞も線維芽細胞様形態を示すように変化した. これを改善するため, 低血清濃度による培養やプトレッシンの添加を検討している. 現在, 培養舌下腺上皮細胞の特性を検討するとともに, 細胞融合の準備を行っている.
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