1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト唾液腺細胞と口腔癌細胞との細胞融合による形質転換と抗癌因子の解析
Project/Area Number |
62570902
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Research Institution | Tokushima University |
Principal Investigator |
平岩 清貴 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30173214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 清一郎 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (90205055)
長山 勝 徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)
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Keywords | 唾液腺細胞 / 口腔癌細胞 / 細胞融合 / 形質転換 / 癌抑制因子 |
Research Abstract |
舌扁平上皮癌由来ZK-1細胞より変異株であるZK-1E2・HGPRT-OUA^R細胞を選択し、その増殖能および血清依存性を検討した。ZK-1細胞に比較すると、本変異細胞株は形態的にほぼ類似した多角から卵円形を示した。コラーゲンゲル包埋法では塊状の発育をするコロニーが主であった。ZK-1細胞に比較して、増殖能はやや低いが有意差は認めなかった。次いで、本変異株の血清依存性を検討したところ、1%添加群でやや増殖が低下するも、10%添加群と著変は認めなかった。HGPRT活性はZK-1細胞で、1.0Ug/μgタンパク質を示したが、ZK-1E2・HGPRT-OUA^R細胞では用いた測定条件では測定不能であった。舌下腺細胞はコラーゲンゲル包埋法にて無血清培養液を用い初代培養を行った。継代は単層培養にて行い、形態的には腺維芽細胞様細胞および上皮細胞の2種類の細胞を認めた。継代のためトリプシン処理を行なうと、上皮細胞は腺維芽細胞様細胞と比較してトリプシン処理に抵抗性を示した。このトリプシン処理に対する抵抗性の差を利用して各々の細胞を分画培養した。舌下腺細胞をコラーゲンゲル包埋法にて培養すると、形成されるコロニーは上皮細胞では腺菅様構造を示し、線維芽細胞では星状のコロニーを形成した。ZK-1E2・HGPRT-OUA^R細胞と舌下腺細胞を融合すると、上皮細胞との融合では21クローンを、また線維芽細胞様細胞との融合では46クローンを得た。融合雑種細胞は形態的に卵円形、円形、多角形、紡錘形をしめすものなど種々であった。融合雑種細胞の細胞層タンパク質についてSDS-PAGEにて検討を加えると、親細胞であるZK-1E2・HGPRT-OUA^R細胞のそれと明かに異なるバンドを認めた また染色体分析を行なったところ、融合雑種細胞には70-80の染色体が認められた。
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