1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62580095
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Research Institution | Sendai College |
Principal Investigator |
丸山 富雄 仙台大学, 体育学部, 助教授 (70118321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市毛 哲夫 東北大学, 教養部, 講師
日下 裕弘 仙台大学, 体育学部, 助教授 (80177980)
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Keywords | スポーツ参与 / 社会階層 / クラスター分析 / 数量化II類 |
Research Abstract |
表記研究の最終年度にあたる今年度は、前年度に実施した調査データの分析、及びその研究成果の発表、報告書の作成に当てられた。 直接的スポーツ参与と社会階層との関係は次のように要約できる。 1.わが国の大部分の人びとが中流意識をもつとはいえ、社会的地位からみれば、社会の上層及び下層と様々なパターンをもった中層という社会階層が存在していた。そして、多様な運動やスポーツ活動のなかで、男性の手軽な体操や球技、ならびに女性のダンス系の運動では階層的な相違はあまりみられなかった。 2.しかし、その他の運動やスポーツ、特に施設を利用する運動や野外スポーツ、競技的スポーツの場合、階層による参与の違いは明らかであった。社会の上層及び将来上層に達するとみられる人々の参与率は高く、下層の成員は極端に低いという結果が得られ、経験的によく知られた社会・経済的なスポーツ参与の条件が確かめられた。 3.このことは、数量化II類によるスポーツ参与を規定する要因分析によっても確かめられたが、今回の変数中スポーツ参与を最も強く規定する要因はライフ・ステージであり、また女性の場合には、過去の運動部所属経験も非常に強く関与していることもわかった。 一方、間接的なスポーツ参与においては、一般的なスポーツ・ニュースやプロ野球では社会的地位や社会階層による相違はそれ程みられなかった。しかし、大相撲やゴルフ、プロレスのテレビ視聴では、人びとの特定のスポーツ関心や様々な偶然性に大いに左右されるとはいえ、年齢や社会階層と密接に関連していることがわかった。一般に、大相撲は高齢者、ゴルフは上層、プロレスは下層の人びとがよくそのテレビを見るという傾向が得られた。今後、競馬や競輪等のギャンブル・スポーツを含め、より広範囲な調査研究が必要と思われる。
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Research Products
(2 results)