1988 Fiscal Year Annual Research Report
小動物用Lーバンド電子スピン共鳴画像システムの開発
Project/Area Number |
62870044
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
土橋 宣昭 福島県立医大, 医学部, 助教授 (20005474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 信一 福島県立医大, 医学部, 副手
尾形 健明 山形大学, 工学部, 助教授 (50091830)
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Keywords | Lーバンド電子スピン共鳴 / LーバンドESR / ESR画像 / ニトロキシドラジカル |
Research Abstract |
Lーバンド電子スピン共鳴(ESR)画像システムの開発の基本は、フリーラジカル(ここでは体外投与によるニトロキシドラジカル)の体外計測を行う事、磁場勾配用コイルの作製並びにこれを用いた画像作製である。体外計測については、初年度以来ラットを用いた実験が順調に進展しており、体外投与のニトロキシドラジカルのラットにおける消去能について解析し、口頭及び印刷公表を行った。磁場勾配用コイル等装置については昨年度中に基本形は完成しているが、今年度は出力の向上を目ざして改造を行った。又今年度はデータ取得、転送並びに一部処理の目的でパソコン及び関連ソフトを備品として購入設置し、現在試験を進めている。これら作業と並行して、ラット頭部において、ニトロキシドラジカルの分布を画像としてとらえ、学会においてESR画像として口頭発表を行っており、印刷公表も準備中である。この画像はラット頭部を上、前、横からながめた二次元投影像と、前、上からながめた面に平行な面に於るスライス像であり、後者のスライス厚は1.5mmとした。これら画像においては、ニトロキシド濃度の高い血管部が陽性に、血液脳関門に保護されて、ニトロキシドラジカル濃度が低い脳の部分が陰性像として得られた。これはラット体内で予想されるニトロキシドラジカルの分布として妥当な結果である。今後は感度と分解能の向上が課題である。なお、分解能はスペクトルの線幅にも強く依存するが、電気的改良終了の時点で、今回試作したシステムの分解能等諸特性を検査整理する予定である。以上2年目をふりかえってみるに、分担者、研究共力者間の連絡もよく、順調に、装置の試作、改良、取得データの医学生理学的解析も進展しつつあり、最終年度にあっては、以上の成果を公表整理してゆきたいと考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石田信一: 日本磁気共鳴医学会雑誌. 増. 175 (1988)
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[Publications] 石田信一: "ESRとフリーラジカル" 日本医学館, 127-132 (1989)