1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
長田 重一 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 部長 (70114428)
鈴木 義昭 基礎生物学研究所, 教授 (50132733)
西郷 薫 東京大学, 理学部, 教授 (50136454)
遠藤 英也 九州大学, 生体防御医学研究所・生化学, 教授 (40037320)
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Keywords | 遺伝子発現 / エンハンサー / 核内因子 / 転写 / 癌細胞 / 制御領域 / メチル化 / 転移性因子 |
Research Abstract |
本研究グループは細胞の癌化に伴って発現性の著しく変化する遺伝子の発現変化の機構を明らかにすることによって癌細胞の遺伝子発現の異常性の本質にアプローチすることを目的として編成された。本年の研究成果は次の通りである。渡辺はIgHのエンハンサーの1つHE_2に結合する核内因子の精製に成功し、その部分アミノ酸の決定より、DNAプローブを合成しcDNAクローニングの実験を始めた。鈴木はフィブロインとセリシンのエンハンサーに働く核内因子の同定を行い、セリシンのエンハンサーの1つに働く因子のクローニングに成功し、構造解析を行っている。酒井はGST-P遺伝子上流にTPAに応答して働くTREの存在することを明らかにし、この要素に働くことの知られているc-JunのcDNAクローンを分離してTREとの相互作用と転写との関係を調べる実験を始めつつある。長田はG-CSF遺伝子の発現調節にかかわる3つの領域のあることを明らかにし、これらの領域に特異的に働く核内因子の存在を確認した。藤井はPー450c遺伝子に性質の異なる2つの制御領域が存在することを明らかにし、各々の領域に働く因子の性質を検討し、構成的発現に働く核内因子の精製とクローニングを行っている。堤はアルドラーゼβ遺伝子の発現に必要な2つの領域を決定し、1つの領域に働く因子の制御領域への結合がその部分のメチル化によって阻害されること、この因子の結合と転写の活性化とが密接に関係していることを示した。遠藤は癌特異的に発現するレトロウィルス様構造の遺伝子クローンを分離して、プロモーター活性を検討している。岡田(典)はint遺伝子の分離を行い、西郷は転移性因子tomの挿入により惹き起されるアナナスショウジョウバエの複眼形成異常の機作を分子レベルで検討している。岡田(典)は活性化rasによる癌化細胞のアザチロシンによる正常復帰現象の機作の検討を行っている。
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[Publications] H.Inoue.: Eur.J.Biochem.171. 435-440 (1988)
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[Publications] A.Fujisawa-Sehara.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85. 5859-5863 (1988)
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[Publications] K.Goto.: J.Biochem. 103. 48-53 (1988)
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[Publications] N.Shirafuzi.: Leukemia Res.12. 745-750 (1988)
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[Publications] N.Okada.: Nucleic Acids res.Sym.Ser.19. 181-184 (1988)
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[Publications] S.Tanda.: Mol.Gen.Genet.214. 405-411 (1988)
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[Publications] M.Murata.: Proc.Natl.Acad.USA.85. 2434-2438 (1988)
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[Publications] S.Hirose.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA.85. 718-722 (1988)
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[Publications] T.Suzuki.: J.Bilo.Chem.263. 5979-5986 (1988)
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[Publications] Maeda.K.: J.Immunology.140. 2796-2801 (1988)
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[Publications] K.Araki.: Cell.53. 723-730 (1988)