1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉倉 廣 東京大学, 医学部, 教授 (60012754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
口野 嘉幸 国立がんセンター, ウイルス部, 部長 (60124418)
足立 昭夫 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (90127043)
池田 秀利 愛知県がんセンター, 研究所第2病理部, 室長 (60101119)
丹羽 太貫 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (80093293)
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Keywords | HIV / MLV / 逆転写 / Fv-4 / テラトカルシノーマ / サプレッサーtRNA / DNAメチル化 |
Research Abstract |
ウイルスのライフサイクルに沿い、研究の概要を説明する。 (1)感染前のウイルス粒子:HIVとMLVを混合し温度或いは紫外線処理を行い、それぞれのアッセイ系でプラック測定をする方法によりHIVはMLVよりも遙かに温度(50〜70度)に抵抗性である事を見いだした。HIVが従来レトロウイルスとして用いられてきたウイルスと異なり、水平感染を起こす事を考えると進化上当然とも考えうる(吉倉)。 (2)細胞内プロウイルス合成:HIVの逆転写はMLVやALVより3〜5倍error proneである(竹内)。 (3)ウイルス遺伝子発現:Mo-MLVのgag-pol間に存在するストップコドンUAGはGluとして読まれる。このコドンを挟み、ウイルスRNAはsten-loop構造を取りうる。変異を導入し当構造が不安定となるようにすると、ウイルスの増殖が低下する。UAGをセンスコドンのCAGに変えるとgag-polのプロセッシング不良となり、感染粒子が出来ない(口野、吉倉)。HIV調節遺伝子vprの機能はまだ明らかでない。vprに4bpの挿入変異を入れると、ウイルスは複製されるが細胞のCPEの出現が遅れる(足立)。 (4)宿主との相互作用:Fv-4のプローブを用い、75%のhomologyでhybridしない条件で色々なマウスのDNAを調べるとMLV抵抗性とは独立に分離するFv-4によく似た遺伝子が見出された(池田)。MLVのLTR内にテラトカルシノーマ細胞に特異的に存在する蛋白と結合する部位を検出した。MLVの発現の当細胞でのnegative regulationに関わるシーゲンスと考えられる(丹羽)。RSVでtransformしたXC細胞が形態的にflip-flopする。これがコレラトキシンによるadenylate cyclaseの活性化レスポンスと連動し、ゲノムのメチル化と関係がある(吉倉)。
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[Publications] M.Nishimura.;A.Adachi,et al.: J.Neuroimmunol.20. 33-37 (1988)
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[Publications] W.Muller.;H.Schroder.;Y.Kuchino,et al.: AIDS Res.and Human Retroviruses. 4. 279-286 (1988)
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[Publications] Y.Kuchino.;S.Nishimura;et al: Virology. 165. 518-526 (1988)
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[Publications] O.Niwa;K.Yokoro.: Jpn.J.Cancer Res.(1988)
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[Publications] H.Yoshikura.: Jpn.J.Cancer Res.(1989)
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[Publications] Y.Teuchi,et al.: J.Virology. 62. 3900-3902 (1988)