1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63010019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上代 淑人 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素研究センター, 教授 (00112227)
山本 正幸 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40114706)
宇野 功 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (60114401)
西川 克三 金沢医科大学, 教授 (10029960)
鈴木 紘一 東京都臨床医学総合研究所, 部長 (80011948)
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Keywords | シグナル伝達機構 / 細胞増殖因子 / インスリン受容体 / PIレスポンス / cAMPカスケード / プロテインキナーゼC / Gタンパク質 / 百日咳毒素(LAP) |
Research Abstract |
細胞増殖制御系でのシグナル伝達機構を解明する目的で、増殖因子ならびにその受容体にはじまり核内での遺伝子発現にいたるシグナル伝達過程の各ステップの解析が行われた。すなわち1)ヒト上皮性癌細胞A431が培地中に塩基性FGFを分泌しているが、抗塩基性FGFの単クローン抗体はA431の増殖を抑制しなかった。また肺小細胞癌もガストリン放出ペプチドを培地中に分泌していたが、autocrine growthはひきおこしていない。2)インスリン受容体βサブユニットのチロシンキナーゼがグルコースのとりこみにおいてもDNA合成の促進においても必須であることを示した。さらにヒトインスリン受容体遺伝子のプロモーター部位の構造を明らかにした。3)新しいプロテインキナーゼ様分子種(nPKC)が3種類(ε、ε、〓)あることを明らかにした。nPKCはリン脂質、ジアシルグリセロール(ホルボルエステル)で活性化されるカルシウム非依存性のキナーゼである。4)哺乳動物Gタンパク質のサブユニットの構造と機能の解析がすすめられ、Gi1α、Gi2αに加え新たにGi3αのcDNA(ラット)の単離し構造を決定した。さらにヒト染色体から3種のGiαに対応する遺伝子を単離し、Gi2αおよびGi3αについてはその全エクソン、イントロン構造を解明した。ついで百日咳毒素非感受性と思われる新たなGxα cDNAをラット脳より単離し構造を決定した。5)発癌型ras遺伝子産物が細胞内においてGTP型で機能していることを示した。またrasに結合したGTPを氷解するGAPを部分精製し、細胞密度の上昇にともないGAP活性が増大することを見出した。6)細胞がGo期からS期に進行する過程で特異的に発現される遺伝子のひとつとしてインテグリンを見出した。7)酵母においてもPIレスポンスが細胞増殖に必須であること、cAMP濃度が低下すると減数分裂が促進されることから、cAMPが栄養状態の信号を仲介している可能性が示された。
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