1990 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質受容体およびイオンチャンネルの構造と機能に関する研究
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63065003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沼 正作 京都大学, 医学部, 教授 (50025516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 至彦 京都大学, 医学部, 助手 (80192730)
福田 和彦 京都大学, 医学部, 助手 (90199224)
竹島 浩 京都大学, 医学部, 助手 (70212024)
田辺 勉 京都大学, 医学部, 助手 (70183069)
井本 敬二 京都大学, 医学部, 助教授 (00176512)
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Keywords | グルタミン酸受容体 / ニコチン性アセチルコリン受容体 / Ca^<2+>チャンネル / Ca^<2+> releaseチャンネル / ムスカリン性アセチルコリン受容体 / cDNA発現 / 部位特異的変異 / 興奮収縮連関 |
Research Abstract |
ア)cDNAクロ-ニングにより2種類のグルタミン酸受容体の一次構造を明らかにし、単独あるいは組み合わせてcDNAから発現させた本受容体チャンネルの機能解析から、本受容体が異なるサブユニットより構成される可能性を示した。ウシ骨格筋ニコチン性アセチルコリン受容体α、β、δサブユニットより構成されるチャンネルがアゴニストなしに高頻度に開くこと、イオンの透過特性がγまたはεサブユニットを含むチャンネルとは異なることを見いだし、γおよびεサブユニットがチャンネルの性質を決定する上で重要であることを示した。イ)Na^+チャンネルのrepeat IのS5とS6の間に位置しテトロドトキシンの感受性に関与することが示された部位の周辺および他のrepeatの相同部位に変異を導入し、その影響を検討中である。ウ)心筋ジハイドロピリジン(DHP)受容体をmuscular dystrophyマウス骨格筋細胞に発現させることにより、Ca^<2+>チャンネル活性とともに心筋型の興奮収縮連関(骨格筋タイプの興奮収縮連関と異なり細胞外液のCa^<2+>を必要とする)が回復することを示した。また骨格筋および心筋DHP受容体よりなるキメラ受容体の機能解析から、骨格筋タイプの興奮収縮連関を示すにはrepeat IIとIIIの間の部分が骨格筋由来であることが必要であることを明らかにした。cDNAクロ-ニングにより心筋リアノジン受容体の一次構造を明らかにし、cDNAより発現させた本受容体がカフェイン刺激に対してCa^<2+>を遊離することを示した。エ)4種類のムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプを各々発現させたNG108ー15 neuroblastomaーglioma雑種細胞のCa^<2+>チャンネル活性を解析し、サブタイプm2またはm4の刺激によりCa^<2+>チャンネルが抑制されることを明らかにした。オ)CHO細胞を用いた大量培養系でcDNAよりニコチン性アセチルコリン受容体サブユニット蛋白を発現させ、それより得られた標品を精製し結晶化条件の設定を開始している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tanabe,T.et al.: "Cardiacーtype excitationーcontraction coupling in dysgenic skeletal muscle injected with cardiac dihydropyridine receptor cDNA" Nature. 344. 451-453 (1990)
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[Publications] Tanabe,T.et al.: "Regions of the skeletal muscle dihydropyridine receptor critical for excitationーcontraction coupling" Nature. 346. 567-569 (1990)
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[Publications] Adams,B.A.et al.: "Intramembrane charge movement restored in dysgenic skeletal muscle by dihydropyridine receptor cDNAs" Nature. 346. 569-572 (1990)
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[Publications] Nakai,J.et al.: "Primary structure and functional expression from cDNA of the cardiac ryanodine receptor/calcium release channel" FEBS Lett.271. 169-177 (1990)
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[Publications] Sakimura,K.et al.: "Functional expression from cloned cDNAs of glutamate receptor species responsive to kainate and quisqualate" FEBS Lett.272. 73-80 (1990)
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[Publications] Jackson,M.B.et al.: "Spontaneous and agonistーinduced openings of an acetylcholine receptor channel composed of bovine muscle αー,βー and γーsubunits" Pflu^^¨gers Arch.417. 129-135 (1990)
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[Publications] Higashida,H.et al.: "Selective coupling of different muscarinic acetylcholine receptors to neuronal calcium currents in DNAーtransfected cells" Proc.R.Soc.Lond.B. 242. 68-74 (1990)