1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63113001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平 則夫 東北大学, 医学部, 教授 (60004553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 磐男 九州大学, 医学部, 教授 (70009992)
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
大地 陸男 順天堂大学, 医学部, 教授 (10049025)
遠藤 實 東京大学, 医学部, 教授 (50009990)
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Keywords | 血管平滑筋 / 血管平滑作動物質 / 血管拡張薬 / 細胞内Ca濃度 / Caチャンネル / Ca拮抗薬 / Caストア / ミオシン軽鎖キナーゼ阻害薬 |
Research Abstract |
1.Fura-2などのCa支持蛍光色素による血管平滑筋肉Ca濃度と血管組織片の張力の同時測定が可能になり、血管平滑筋に直接作用して弛緩させる物質や薬の作用機序に関しての理解が一層深まった。しかし、用いた実験方法、動物種、血管の種類によって、同一血管拡張薬についても研究者間で結果が異なる場合もあり、したがって作用機序に関する見解が異なるものもある。2.血管平滑筋のスキンドファイバー、培養血管平滑筋細胞、Ca指示蛍光色素、筋小胞体からのCaによるCa放出促進物質、筋小胞体膜Caチャンネルを開口状態に固定する物質、その他の血管平滑筋作動物質の駆使により、Ca放出機構に少くとも2種類あることがわかった。しかし、Ca放出機構の種類はCaストアの種類なのか、また、血管平滑筋作動物質ごとに作用するCaストアが異なるのか、また、セカンドメッセンジャーはCaやイソシトールミリン酸だけなのかなどについては、研究者の見解が必ずしも一致しているわけではない。3.単離血管平滑筋にパッチ電極を適用して、Ca拮抗薬の単一Caチャンネルレベルでの研究が進み、ジヒドロピリジン系Ca吉抗薬は心筋におけると同様に、静脈平滑筋においてもCaチャンネル利用可能性を減少することが作用機序であることが明らかになった。4.薬理学的実験ではある種のアゴニストは血管平滑筋の受容体作動性Caチャンネルを活性化して収縮を起こすと考えると説明に都合がよいが、本態は明らかにされずに終った。5.平滑筋細胞内においても、Caイオンが役割を果たす以後の過程に作用して収縮を抑制するものとして、ミオシン軽鎖キナーゼ阻害薬が合成され、この種の薬による血管拡張の可能性がでて来た。一方、非常に関心の高いプロティンキナーゼCについては、その分子種の多様性が明らかになり、その分子種の臓器特異的分布が明らかにされつつあるが、血管平滑筋における分布、役割の研究は遅れ、その進展は今後に期待される。
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Research Products
(32 results)
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[Publications] 平則夫: Biomedica. 4. 36-40 (1989)
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[Publications] 柳澤輝行: 血管. 12. 36 (1989)
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[Publications] 遠藤政夫: 実験医学. 6(4). 303-307 (1988)
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[Publications] 遠藤政夫: 臨床科学. 25(8). (1989)
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[Publications] Iino,M.: Biochem.Biophys.Res.Commun.152. 417-422 (1988)
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[Publications] 川島優子: 血管. 11. (1988)
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[Publications] Iino,T.: Clin.Nucl.Med.12. 688-693 (1987)
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[Publications] Imai,S.: Calcium Protein Signalling. 88. (1988)
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[Publications] Yoshida,Y.: Jpn.J.Pharmacol.20. 183 (1988)
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[Publications] Tomita,T.: Jpn.J.Physiol.38. 1-18 (1988)
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[Publications] 富田忠雄: 臨床薬理. 19. 375-378 (1988)
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[Publications] Hagiwara,M.: Biochem.Biophys.Res.Commun.152. 270-276 (1988)
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[Publications] Ishikawa,T.: Mol.Pharmacol.33. 598-603 (1988)
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[Publications] Ase,K.: J.Neurosci.8. 3850-3856 (1988)
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[Publications] Sekiguchi,K.: J.Biochem.103. 759-765 (1988)
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[Publications] Nishizuka,Y.: Nature. 234. 661-665 (1988)
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[Publications] Asaoka,Y.: FEBS.Lett.231. 221-224 (1988)
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[Publications] Ono,Y.: J.Biol.Chem.263. 6927-6932 (1988)
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[Publications] Ono,Y.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. (1989)
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[Publications] Morimoto,S.: J.Biochem.104. 873-874 (1988)
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[Publications] Shirahase,H.: Life Sci.42. 437-445 (1988)
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[Publications] Shirahase,H.: J.Pharmacol.Exp.Ther.247. 701-705 (1988)
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[Publications] Shirahase,H.: J.Pharmacol.Exp.Ther.247. 1152-1157 (1987)
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[Publications] Shirahase,H.: J.Pharmacol.Exp.Ther.in press.
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[Publications] Kanaide,H.: Circ.Res.63. 16-26 (1988)
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[Publications] Miasiro,N.: Biochem.Biophys.Res Commun. 156. 312-317 (1988)
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[Publications] Sadoshima,J.: Am.J.Physiol.255. H410-H418 (1988)
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[Publications] Kui,H.: Biochem.Biophysic.Res Commun. 156. 236-243 (1989)
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[Publications] Matsumoto,T.: J.Biol.Chem.
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[Publications] Kikkawa,U.: "Cold Spring Harbor Symposia Quantitative Biology" Cold Spring Harbor Laboratory, (1988)
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[Publications] Kikkawa,U.: "Annual Reviews of Biochemistry,volume 58" Annual Reviews INC., (1989)
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[Publications] Usui,H.: "Adenosine and adenine nucleotides nucleotides"Physiology and Pharmacology" ed.by D.M.Paton" Taylor and Francis, p294 (1988)