1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63301036
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
神邉 靖光 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (70082485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 崇慶 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10136020)
名倉 英三郎 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (80086363)
吉岡 栄 川村短期大学, 教授 (10149271)
竹下 喜久男 仏教大学, 文学部, 教授 (70077022)
入江 宏 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (90002518)
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Keywords | 藩校 / 学校の組織化 / 郷学校 / 試験 / 藩治職制 / 藩邸学校 / 郷中教育 |
Research Abstract |
本研究の学校・教育施設の組織化部門では次の研究を進めた。 1)武芸の教育は各地に分散した道場で行われていたが、幕末、洋式近代戦にふれた藩は武芸道場を城下に集中し、兵学校を組織して旧来の藩学校と並立させた。これを金沢藩・松江藩で実証した。 2)鹿児島藩を事例として、当藩特有の郷中教育、郷学校、藩校との関連で藩内全域の学校組織化の過程を調査し、これが維新後のこの地域の小学校に連続することを実証した。 幕藩体制・明治期学校の部門では次の研究が進められた。 1)幕末期における学校の試験を幕府直轄学校を事例に探究した。即ち、昌平黌の学問吟味、春秋試、若年寄見分を通して、それが部分的には人材登用になり得ても、本質的には勉学督励として機能し、維新後の試験制度に連動することを考察した。 2)明治元年から4年にかけて各藩でつくられた「藩治職制」百数十種を収集し、これを分析して学校が藩行政に組み入れられたことを実証した。さらに松江藩を事例として、従来、公私の別が不明であった藩学校が松平家から分離してゆく過程を実証した。 3)明治3年から私塾が政府に統制されるようになるが、東京府下の私塾・私学を事例に江戸藩邸学校との関連において調査した。その結果、維新期の私学には藩邸学校との連続が認められるものがあることが判明した。さらに、それらが維新期の学校制度に組み込まれる過程も明らかにした。 4)新潟県を事例に、維新期において県学校を中核校に県域内諸学校を組織化する過程、その風土的、政治的、経済的理由を明らかにした。 学校論・学制論の部門及び西洋近代科学導入の部門については、本年度は資料収集に専念した。両部門の分析及び成果は、次年度以降に報告する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 神邉,靖光: 日本の教育史学(教育史学会紀要). 31号. 4-18 (1988)
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[Publications] 神邉,靖光: アジアの教育と文化. (1989)
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[Publications] 名倉英三郎: アジアの教育と文化. (1989)
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[Publications] 生馬寛信: 佐賀大学教育学部研究論文集. 36-I. 43-68 (1988)