1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63301036
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
神邉 靖光 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (70082485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生馬 寛信 佐賀大学, 教育学部, 助教授 (40136586)
新谷 恭明 九州大学, 教育学部, 助教授 (10154402)
竹下 喜久男 仏教大学, 文学部, 教授 (70077022)
吉岡 栄 流通経済大学, 経済学部, 教授 (10149271)
名倉 英三郎 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (80086363)
|
Keywords | 藩校 / 郷学 / 学校の組織化 / 幕末 / 明治維新 |
Research Abstract |
平成2年度の研究は前年に続き,幕末維新期におこった藩校の改革を事例に即して検討した。合同研究会を6月24日(松江市),12月10日(東京都文京区)に開き,下記の諸問題を討議した。 (1)加賀藩の数学教育 提案発表者 蔵原清人 (2)足利学校の再興と足利藩学校の設立 提案発表者 吉岡 栄 (3)明治初期の豊津藩校育徳館 提案発表者 新谷恭明 (1)は研究実施計画(C)「西洋近代科学の導入にともなう教育の変化」にもとづいたもので,加賀藩を事例に和算から洋算の転換と学校の組織化との関係を究明した。(2)(3)は計画(B)「学校.教育施設の統合.組織化」(D)「明治初期における府藩県諸学校の歴史的位置づけ」にかかわるもので,前者は通説となっている明治維新における足利学校再興説を退け,足利藩校設置説を提起した。後者は豊津藩校育徳館が人民共立第35番中学校に連続する経緯を検証した。 計画(A)「幕末維新期の学校論.学制論」については名倉英三郎が「近世の学校調査」を発展させ,(A)(B)に関連して竹下喜久男が「鳥取藩尚徳館の学制改革と改革意見」を,(B)(D)に関連して高木靖文が「佐渡の国における近代学制の素地」をまとめた。また(B)については神邊靖光が「毛利藩学校の組織化」,生馬寛信が「幕末維新期の佐賀藩学校」を,井原政純が「明治初期の郷学について」と題して,東京府,佐賀藩,熊本藩,鹿児島藩,青森.岩手.宮城の3県を調査研究した。(C)にかかわるものとしては蔵原三雪の福井藩を事例とした「お雇い教師と学校」,橋本昭彦の長崎医学所.精得館を事例とした「明治初期オランダ人医学教師による学則の制定」等の研究がおこなわれた。
|