1988 Fiscal Year Annual Research Report
血栓形成、溶解における血液・血管壁相互反応機序の解析とその臨床応用への基礎的研究
Project/Area Number |
63304045
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
居石 克夫 九州大学, 医学部, 教授 (70108710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 助教授 (70077808)
高田 明和 浜松医科大学, 教授 (80092980)
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
住吉 昭信 宮崎医科大学, 教授 (80038695)
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Keywords | 血栓 / 凝固 / 線維素溶解 / 血管内皮細胞 / 血小板 / アラキドン酸 |
Research Abstract |
1.血栓の形成、溶解機序に関する研究:(1)牛第VII因子の全一次構造を決定し、VII因子のSer_<52>およびIX因子のSer_<53>の糖鎖構造を解明した(岩永)。(2)トロンボモジュリン(TM).の主要ドメイン(D1-5)の機能、カルフォビンディン類似体の蛋白化学的相同性を解析し、凝固制御機構における意義を解析した(鈴木、真木)。TMの巨核球、血小板における局在を免疫組織化学的に証明した(斎藤)。(3)血管内皮細胞のプロテオブリカン代謝は、二荷陽イオン(Mg++,Cu++)に促進され(桜川)、又、血清コレステロールの増加および血栓由来物は内皮細胞の増殖を促進し、非剥離修復を認めた(住吉)。血管新生過程におけるプラスミノゲン・アクチベーター(PA)ープラスミン系の意義は、内皮細胞の遊走に関与し、特に内皮由来のu-PAにより規定された(居石)。(4)t-PA、PAI1の免疫定量により、加令とともにPAI1は増加し、両者の複合体が増加していた(高田)。(5)血小板トロンビン凝集時には、血小板由来Fbg依存性と非依存性凝集機序が存在することが、免疫電顕的に確認された(山崎)。 2.血栓症および臓器不全の診断と病態に関する研究:(1)前骨髄性白血病細胞株(HL-60)の凝固系活性化のおけるアラキドン酸代謝より検討し、TXA_2とともにPGI_2産生能があることが明らかにされた(柴田)。(2)血中TMの免疫定量よりDIC、ARDSにおいて著明な上昇があることから血管内皮障害の指標となりうる可能性がある(青木)。 3.血栓症の治療に関する研究:(1)シクロオキシナーゼ異常症における血小板異常は。アスピリン誘導性の不可逆的構造異常に類似した酵素異常が示唆された(山本)。(2)慢性期脳梗塞、糖尿病例ではトロンビンならびにエラスターゼとそれらインヒビターとの複合体の増加が、又、各種血栓性疾患では血管内皮細胞由来の凝固、線溶因子の動態が確認された(松田、前川)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hayashi.: Exp Eye Res. 46. 131-137 (1988)
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[Publications] K.Tanaka.: Atherosclerosis. 72. 143-156 (1988)
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[Publications] K.Oka.: J Neurosurg. 69. 356-360 (1988)
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[Publications] K.Uragoh.: J Histochem Cytochem. 36. 1275-1283 (1988)
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[Publications] Y.Nakashima.: Fibrinolysis. 2. 227-234 (1988)
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[Publications] M.Hashizume.: Hepatology. 8. 1482-1487 (1988)