1988 Fiscal Year Annual Research Report
分子鎖の直接観察による天然セルロースおよびその誘導体の構造解析
Project/Area Number |
63440013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡野 健 東京大学, 農学部, 教授 (30011927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三城 昭義 東京大学, 農学部, 助手 (90012004)
太田 正光 東京大学, 農学部, 助教授 (20126006)
磯貝 明 東京大学, 農学部, 助手 (40191879)
空閑 重則 東京大学, 農学部, 助手 (60012051)
杉山 淳司 東京大学, 農学部, 助手 (40183842)
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Keywords | 単結晶 / セルロースII / セルロース誘導体 / 電子顕微鏡 / X線回折 |
Research Abstract |
マーセル化のメカニズムを明らかにするためにはどうしてもセルロースIIの結晶構造を明らかにする必要があると考え、セルロースIIの単結晶を調製した。またセルロースを誘導体化した際、どういった分子・結晶構造が誘導体の化学的・物理的性質に影響するのかを明らかにするため、種々のセルロースエーテル3置換体の単結晶を調製した。得られた単結晶を電子顕微鏡ならびにX線回折法により解析しており、現時点での進行状況は次の通りである。 1)セルロースIIの単結晶:細長いリボン状の単結晶でその厚さは用いたセルロースの重合度と一致する。つまり分子鎖は伸長鎖であることが分かった。そこで現在、分子鎖配向に関する情報を得るために、この単結晶の還元末端にブロムを結合させたカルバジド基を導入し、これを可視化して、平行・逆平行鎖のいずれであるかを明らかにすることを試みている。 2)メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル、メタリル、アリルセルロース等の3置換体セルロースエーテルの単結晶調製を試みた結果、エチル,プロピル、ブチル、ベンジル、メタリルセルロースについては良好な単結晶を調製することができた。ブチルセルロース以外は、すべてhexagonal unitであるのに対して、それはtetragonal unitである等、エーテル基の違いと結晶構造との関連において大変興味深い知見を得ている。現在、コンフォメーション解析のために基礎的データを収集中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Okano;A.Koyanagi;Y.Kondo;A.Sarko: J.Appl.Polym.Sympo.(1989)
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[Publications] J.Sugiyama;T.Okano: J.Appl.Polym.Sympo.(1989)
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[Publications] S.Kuga;R.M.Brown: J.Appl.Polym.Sympo.(1989)