1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63450062
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神沢 栄三 名古屋大学, 文学部, 教授 (60022365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 泰治 中部大学, 国際関係学部, 教授 (30023518)
植田 裕志 名古屋大学, 文学部, 助手 (40193792)
小栗 友一 名古屋大学, 総合言語センター, 教授 (50023601)
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Keywords | クレチアン / ハルトマン / ヴォルフラム / 散文ランスロ / 宮廷騎士道文学 / 宮廷叙事詩 / 愛 / ティポロギー |
Research Abstract |
1.(共同研究)共同研究の成果があがるように、隔月に各人の研究成果を持ち寄って研究報告会を開き、討論と情報交換を通して各研究が有機的にリンクされてゆくように留意した。 2.(個人研究)神沢はクレチアンのYvainとハルトマンのIweinについて、特に前者の昔話的性格が後者でどのように変化したかを調査して、後者のもつ騎士道物語の非聖化=写実的傾向を明らかにし、かつドイツにおけるこの傾向が同時代のフランスのヌーヴェルにも見ることができる点から、ドイツの宮廷文学がフランス文学の受容という一方向的見方ではすまされない可能性を示唆、その成果を国際アーサー王学会日本支部大会(63年10月1日、明星大学)および名大文学部研究論集に発表。小栗はクレチアンのPercevalとヴォルフラムのParzivalのそれぞれの前半部分の表現上の、特に語り手の口上と場面場面の描写を比較検討し、また名大中世文学研究会においてペルクセンの『中世ドイツ叙事詩における語り手』について報告した。植田は散文アーサー王ロマンス諸篇が三つの物語世界(年代記の世界、聖史の世界、変愛に基づく宮廷騎士の世界)を背景として成立しているとの視点を得て、独仏のランスロ物語の比較を手がけ、また比較的初期の散文作品について分析した成果を名大文学部研究論集に発表予定。伊東はクレチアンのErecと比較しながらハルトマンのErecの物語構造、とくにモティーフのくり返しと二重コース論を具体的に調査してその成果を国際アーサー王学会日本支部大会(同上)および名大中世文学研究会において発表し、またその調査過程で二重コース論とTypologie的解釈の関係に関心を持ち、フランスの武勲詩とドイツのその受容を比較した研究の成果を中部大学国際関係学部紀要に発表の予定。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 神沢栄三: 名古屋大学文学部研究論集. 103(文・35). 125-142 (1989)
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[Publications] 植田裕志: 名古屋大学文学部研究論集. 103(文・35). 165-177 (1989)
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[Publications] 伊東泰治: 中部大学国際関係学部紀要. 5. (1989)