1988 Fiscal Year Annual Research Report
大都市における社会的ネットワークの変容と再生-構造調整下の北九州市の事例研究-
Project/Area Number |
63450074
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
山崎 克明 北九州大学, 法学部, 教授 (00047721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 徹 北九州大学, 法学部, 講師 (60196392)
村上 芳夫 北九州大学, 法学部, 助教授 (40157764)
久塚 純一 北九州大学, 法学部, 助教授 (90037086)
斉藤 貞之 北九州大学, 商学部, 助教授 (10105380)
藪野 祐三 北九州大学, 法学部, 教授 (10047730)
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Keywords | ネットワーク / 行政 / 市民 / 女性 / 高齢者 / 中小企業 / 雇用 / 労働 |
Research Abstract |
本年度は、これまでの到達点を、特にそれを裏づける資料を中心として中間報告の形でまとめた。そのうち「行政のネットワーク」を対象とする山崎は、市役所総務関係部局の担当者の面接調査を実施し、行政ネットワークの実態および行政-市民間ネットワークのおおよその実態を把握しえた。次年度は、市民組織の担当者を中心に面接調査を重ねる予定である。「女性のネットワーク」に取り組む久塚は、1984年以降毎年開催されている北九州女性会議を取り上げ、それに関わる女性たちを伝統、競争、市民、援助、互助の3つのグループに分類して分析を進め、先進的なテーマに取り組む同会議において、伝統グループが支配的であることを明らかにした。「潜在的(学習)ネットワーク」を対象に選んだ石塚は、「年長者いこいの家」を利用するコミュニティ活動を中心に取り上げ、伝統的価値の側面から生き方の指針が得難くなった長命社会における新たな生き方の模索を、調査票による検討の準備を進めた。「産業のネットワーク」を対象とする斉藤は、八幡地区の地元商店業者ネットワークの動向の聞き取り調査を実施し、新日鉄のスペースワールド計画を契機して、この地域商業者グループが地区商業再編成をめざして動き始め、若手後継者層を中心に既存体質からの脱却のための新たなネットワークが形成されつつあることを知った。「働くネットワーク」を研究する篠田は、市役所民生局社会課を中心に、国・県・市にわたる労働行政の実態把握につとめ、その問題点を探る一方、各地の地域雇用開発に向けた政・労・使の連携に関していくつかの興味深い事例を検討した。 以上の成果に基づき、各人次年度は調査の継続・補充とともに、調査結果のまとめを予定している。なお、調査結果をまとめる前の段階としての中間報告書・資料集をまとめた。
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