1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63450096
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
平良 勉 琉球大学, 教育学部, 教授 (80044907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 文雄 琉球大学, 教育学部, 助手 (40153259)
真栄城 勉 琉球大学, 教育学部, 助手 (90116971)
金城 昇 琉球大学, 教育学部, 講師 (60128478)
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Keywords | 近代沖縄体育史 / 近代沖縄スポーツ史 / 学校体育 / 運動会 / 地域スポーツ / 運動文化 |
Research Abstract |
今年度は、「近代沖縄における体育・スポーツ史」科研の初年度にあたり、資料の収集・整理及び関係者の発掘と聞きとり調査が、研究作業の中心となった。 とりわけ、地域的には八重山・宮古地区に当面、研究の拠点を置き、各学校の創立100年史(誌)や沿革誌、当地の新聞などを整理しながら時代の推移を探っていくことにした。 日本的な「近代化」の波は、学校史に限定しただけでも極めて急速、強力だったことが如実に読みとれる。明治5年の「学制」以降、学校体育の成立・推移は部分的には改革、再編をともないつつも、基本的にはこの時期の構造を保持しつつ展開してきたのではないかと思われる。にもかかわらず、行事としての「運動会」には地域独自の歩みがみられるであろう。学校体育と運動会の関係という構図のなかに研究の視座をおくと、おそらく独自的な存在や可能性が成立してくると思われる。 1910年代(明治末から大正期)には、スポーツが学校の中でも展開されはじめている。この時期をどのように特徴づけ、位置づけていくかは近代沖縄における体育・スポーツ史の体系化にとって分水嶺となってこよう。それと同時に、沖縄独自の運動文化である空手、角力をはじめとしてハーリー、大綱引きなど祭り的、呪術的な形態や性格をもってきたと思われる数多くのこれらの文化は、近代沖縄の歴史の中で近代スポーツとともにどのように推移してきたのか。それをどのように特徴づけ、位置づけることができるのかは、すぐれて日本の「近代化」の継承すべき積極面と歴史的可能性をおしとどめられてきた側面を明らかにしていく現代的課題でもあると思われる。
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