1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 安三 東京大学, 工学部, 教授 (00010752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 保 東京大学, 工学部, 助手 (30163273)
佐分利 正彦 東京大学, 工学部, 助教授 (90011022)
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Research Abstract |
ルテニウムの配位不飽和な5配位錯体〔RuH(DIPHOSPHINE)_2〕PF_6、1__〜を種々の2座配位子であるDPPE、DPPF、DPPP、DPPB、について合成し、水素ガスとの反応により対応する分子状の水素錯体、〔RuH(n^2-H_2)(DIPHOSPINE)_2〕PF_62__〜を得てこれらの錯体の挙動を詳細に検討した。分子状水素錯体2__〜を重メチレンクロリドに溶かし、30°C、-30°C、-90°Cで^1H-NMRスペクトルを測定し、ハイドライドおよび配位した分子状水素の緩和時間(T_1)を測定したところ、DPPEの場合、ハイドライドのT_1は315msで分子状水素は25msであった。これに対してキレート環が大きくなると考えられるDPPPとDPPBの場合ではハイドライドと分子状水素が同じT_1の値(14ms)を示したり、NMRスペクトルでの両者の区別ができない(室温)など、明らかにハイドライドと分子状水素の間で交換反応が速くなっていることがわかった。さらにDPPFを用いたときにはトリハイドライドになっており、ルテニウムの配位不飽和種に配位した分子状水素の挙動はホスフィン配位子により大きく変化することがわかった。 一方ジルコニウムについては、ジルコノセンジエチルが室温で分解しジルコウムII価の活性種を与える系にドリアルキルホスフィンを加えたところホスフィンの配位したジルコニウムエチレン錯体が安定にしかも高収率で得られた。このことからホスフィンを加えない場合には配位不飽和な活性種ジルコニウムエチレン錯体が発生していると考えられる。ジルコノセンジエチルの代わりにジルコノセンジブチルを用いると、同様に系中で配位不飽和な活性種ジルコノセントブラン錯体が発生し、これにホスフィン類を加えると定量的に安定な対応するホスフィン錯体が得られた。 ルテニウム5配位錯体/分子状水素錯体/ジルコニウムエチレン錯体/ジルコニウムオレフィン錯体
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Takahishi,M.Murakami,M.Kunishige,M.Saburi.Y.Uchida,K.Kozawa,T.Uchida,D.R.Swanson,E.Negishi: Chem.Lett.
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[Publications] T.Takahashi,M.Tamura,M.Saburi,Y.Uchida,E.Negishi: J.Chem.Soc.Chem.Commun.