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1988 Fiscal Year Annual Research Report

ヒト胎児における行動の発達と中枢神経系の制御機構の連関に関する研究

Research Project

Project/Area Number 63480369
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

中野 仁雄  九州大学, 医学部, 教授 (40038766)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 堀 栄一  九州大学, 医学部, 助手 (40199518)
井上 充  社会保険佐賀病院, 産婦人科, 医長 (20138332)
下川 浩  九州大学, 医学部, 講師 (30128037)
小柳 孝司  九州大学, 医学部, 講師 (30136452)
KeywordsREM / NREM期 / 口唇運動 / 発達 / ヒト胎児行動 / 超音波電子スキャン
Research Abstract

ヒト胎児における中枢神経系の機能的な発達過程を明らかにすることを目的に、眼球運動(REM/NREM期)と口唇運動に注目し、各々の固有の発達過程と相互の関連について検討した。対象は妊娠28週から41週の正常胎児26例である。電子スキャンを用いて胎児眼球と口唇の双方の運動を同時に、60分間観察した。解析には隣り合った2つの運動間の時刻の差分すなわちインターバルを指標とした。その結果、口唇運動は妊娠34週以前の妊娠の早期ではランダムに起こった。他方、妊娠35週以後の例では0.3-0.6秒のインターバルを有する口唇運動が大部分を占めていた。妊娠35週以後の例について、観察期間をREM期とNREM期に分け、各々の区間における口唇運動の出現様式について検討したところ、REM期においては、ランダムに起こった。一方、NREM期のインターバルはその53-85%が0.3-0.6秒に集中していた。以上の成績から、妊娠35週以後になると0.3-0.6秒毎の規則的な運動(regular mouthing)がNREM期に同期して出現することが明らかとなった。Regular mouthing movementは新生児においては、NREM睡眠期にのみ観察される。未熟児から得られた成績によると、NREM睡眠の完成は妊娠35週から36週に相当する時期であるといわれている。胎児においても、これに対応する妊娠の時期に一致して、規則的な口唇運動がNREM期に同期して出現してくることが明らかとなった。このことは子宮内でも妊娠35-36週頃にNREM睡眠に擬せられる状態が発現してくることを示唆する。また、NREM睡眠の中枢は橋よりもさらに上位に存在すると考えられている。したがって、妊娠35-36週以後になると橋のみならずそれより上位も含めた広い範囲の中枢神経系の機能が発動してくるといえる。本研究を通じて、ヒト胎児の諸種の動作は、個々に独自の発達過程をたどる一方で、妊娠末期に至ると、複数個が互いに関連しながら、より高次の機能へと統合されてゆく発達過程が示された。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] Horimoto,N.: Am.J.Obstet.Gynecol.(1989)

URL: 

Published: 1990-03-19   Modified: 2016-04-21  

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