1989 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌ならびに関連前癌病変の診断および治療法選択のための研究
Project/Area Number |
63480445
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
清水 正嗣 大分医科大学, 医学部, 教授 (90013846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水城 春美 大分医科大学, 医学部, 講師 (40145397)
松島 りん太郎 大分医科大学, 医学部, 助手 (10209546)
柳澤 繁孝 大分医科大学, 医学部, 助教授 (90053222)
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Keywords | 口腔前癌病変 / 口腔白板症 / ディスプラジア / 臨床視診型 / 口腔扁平上皮癌 / ケラチン / 細胞骨格蛋白 / 電気泳動 |
Research Abstract |
臨床的には日常の診療において口腔前癌病変ならびに扁平上皮癌を有する患者の記録を行い、症例を重ねてきた。個々の患者の記録については経時的に1週間ないし1カ月毎に経過観察を実施し、症状の変化に応じて、写真撮影による記録、また必要と認めれば細胞診、生検を施行している。これらの記録の一部については白板症の治療法と予後について1989年5月25日、第43回日本口腔科学会総会で発表した。白板症の臨床所見と組織像との比較についてはdysplasiaの有無により発症部位との関連を調査したが口腔に主として白板症の認められる頬粘膜、歯肉、舌の内では、舌が最もdysplasiaの発現し易い部位であることが本研究によって解明された。また、白板症において上皮下に付随して認められる炎症性細胞浸潤の上皮性細胞異型の出現に及ぼす影響についても検索しているが、現在までのところなお明かな因果関係は認められていない。組織学的異型度と臨床視診型との関連については紅白斑型に異型を示す症例が目立って観察されたが、さらに詳細な分類を組織像のパタ-ン化のもとに行う必要性が本研究より認められ、現在検討中である。 電気泳動的な分析に関しては現在、等電点電気泳動を主にファルマシア社の等電点マ-カ-を指標としてケラチンサブユニットの分析を行っている。この分析では、泳動後のポリアクリルアミドゲルを銀染色することにより感度の高い検出が行い得るようになり、染色条件が確立された。但し、ケラチンの抽出に用いているClausenの方法でもなおケラチン以外の細胞骨格蛋白の混在が疑われ、現在ウエスタンブロッティングによるケラチンの同定を定施すべく、条件設定に努めている。ケラチンの調製用電気泳動装置による大量の精製は未だ達成されていないが、当面、精製度の高いケラチンの抽出を追究してゆき、将来は本研究による特異抗体の作製をも求める方針である。
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