1988 Fiscal Year Annual Research Report
歯・顎・口腔領域における東洋医学の基礎並びに臨床的研究
Project/Area Number |
63480450
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
谷津 三雄 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80050003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 直人 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (50174941)
吉村 宅弘 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90158501)
石橋 肇 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (90184564)
米長 悦也 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30130636)
渋谷 鉱 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (70130523)
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Keywords | 東洋医学 / 東西医学融合 / サーモグラフィ / 皮膚温 |
Research Abstract |
昭和62年4月の第22回日本医学回総会並びに同サテライト学会では東洋医学が大きくとりあげ注目を集めた。一方、歯科医学会においては未だ、このような総会講演の開催は行われていない。そこで「東西医学融合」の観点から、歯、顎、口腔領域における基礎的並びに臨床的研究を企図としてものである。とくに、東洋医学療法は効果発現に時間を要することと個人差があることなど、その客観的評価の解明が困難といわれているが、本年度はサーモグラフィを中心として研究した結果、以下のような概要結果を得ている。 手術予定患者には手術に対する不安から不眠を訴える者が多く、一般的には精神安定薬が投与されているが、手術前夜の前投薬として高麗人参酒を服用させることで、不安、不眠、冷え症が解消される場合がある。そこで不眠を訴える手術予定患者および健康成人男子学生に対して人参酒を服用させたときの下腿下部の皮膚温の変動を医用サーモグラフィにより観察を行っている。 消灯後も眠れないような不眠を訴える手術予定患者はかなりあるが、人参酒20mlを服用させることによって6〜8時間熟睡させることができた。人参酒を服用すると投与15分後から下腿下部の皮膚温が徐々に上昇し、この上昇は投与80分後においても持続していた。以上の結果より、人参酒を服用させると、下腿下部すなわち抹消の皮膚温の上昇がみられたことから、交感神経の緊張が解け、副交感神経が優位となり全体的に自律神経のバランスが改善され、睡眠が導かれることが示唆された。したがって、手術に対する不安から不眠を訴えたり、冷え症を強く訴えたりする虚症の患者は心身症または自律神経失調症の患者に多く、これら患者に対して、手術前後の前投薬として人参酒を服用させることは有用であると思われた。
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Research Products
(2 results)