1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯・顎・口腔領域における東洋医学の基礎並びに臨床的研究
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63480450
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
谷津 三雄 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80050003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渡 亮司 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90221598)
落合 俊輔 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10160889)
坂本 嘉久 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (50162318)
石橋 肇 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (90184564)
渋谷 鉱 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (70130523)
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Keywords | 東洋医学 / 東西医学融合 / ペインコントロ-ル / サ-モグラフィ / 経絡現象 |
Research Abstract |
WHOは鍼灸を現代医療の中に取り入れるように勧告し適応疾患名をあげ中西医学結合によるこれら疾患に対する完治を示唆するとともに、東洋医学の科学的解明を望んでいる。古来から東洋医学はペインコントロ-ルの重要な手段として発達してきたことからも可能な限り東西医学の融合を計りながらの患者管理が有用であることはいうまでもない。そこで、「東西医学融合」の観点から、歯、顎、口腔領域における基礎並びに臨床的研究を行ってきた。本年度は、基礎的研究においてサ-モグラフィを用いて自律神経と関係深い皮膚温の観察に疼痛閾値の測定を行った。臨床的研究においては、全身麻酔後の咽喉頭障害への効果と歯科領域への鍼灸および漢方療法の応用を行った。 (1)ゴム電極,マグネット電極およびハリ電極のいずれにおいても中等度の刺激量のときに最も大きな鎮痛効果が得られた。すなわち、針麻酔における通刺激とは中等度の刺激量のことを示唆している。 (2)3種類の電極のうち、最も大きな鎮痛効果を示したのはハリ電極であった。 (3)笑気吸入鎮静法との比較および併用において、疼痛閾値は10%笑気、通電ハリ麻酔、10%笑気+通電ハリ麻酔、20%笑気、20%笑気と通電ハり麻酔の順に大きくなった。 (4)気管内挿管麻酔後の咽喉頭障害への間接点およびソフトレ-ザ-を応用し、嗄声、嚥下痛および異物感に対して軽減化することを認めた。特に小児の嗄声に対しては著効を示すことが多かった。 (5)開口障害に対して、内庭,合谷,下関に対して間接点、点頭針を施術し即座に開口障害と疼痛の寛解がみられた。従来の薬物療法(西洋医学的療法)では全く経験できない最大の長所と考えられた。
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