1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540209
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 助教授 (70018670)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 清美 新潟大学, 理学部, 教授 (40011548)
|
Research Abstract |
63年度の研究計画は、次の3点であった。 1.Heアイソトープについてクラスター軌道殻模型法による分析を行う。 2.Liを^9Li+n+nの3体クラスター模型に基礎を置いた分析を行う。 3.He.O.Ca領域の中性子過剰核のE1強度分布をハートリー・フォック法の1粒子軌道を用いたRandom Phase近似で調べる。 第1点については、^6He、^7He、^8HeのHeアイソトープに適用し、クラスター模型の成果と殻模型の方法を融合した簡便な方法であることを確立した。中性子過剰核の性質を中性子数の関数として分析するのに適したものであることを示した。一部の成果は論文に発表した。今後、Liアイソトープも含めて、更に詳しい検討をしていくことが望まれる。 第2点については、^9Liとn間に作用する中心力、スピン軌道力ポテンシャル及びn-n間のポテンシャルについて検討し、妥当なものを決定することができた。現在3体クラスター計算を実行する段階にあり、各部分系は束縛しないが全体として何故束縛しうるのか、その構造はどの様であるのかといった興味深い疑問に応えていく心算である。 第3点については、中性子過剰核のE1強度は一般に分散すること、安定核でみられるE1巨大共鳴は中性子・陽子のフェルミ面近傍の1粒子エネルギー間隔に大きな差がないために集中するものであることを確かめることができた。これは安定核で得られた常識が、必ずしも不安定核では成立しないことを示す一つの例であり、不安定核の研究は重要であり興味深いものであるとあらためて認識した。成果の一部はシンポジウムの講演で報告された。 中性子過剰核/不安定核/Heアイソトープ/Liアイソトープ/クラスター模型/殻模型/結合エネルギー/電気双極子強度分布
|
-
[Publications] Suzuki,Yasuyuki: Physical Review. C38. 410-413 (1988)
-
[Publications] Suzuki,Yasuyuki: Journal of Physical Society of Japan. 58. 129-141 (1989)
-
[Publications] Sato,Hiroshi: Proceedings of the International Symposium on Heavy Ion physics ang Nuclear Astrophysical Problems. 199-208 (1989)
-
[Publications] Ikeda,Kiyomi: "Proceedings of the fifth International Conference on Clustering Aspects in Nuclear and subnuclear Systems" Physical Society of Japan, 1-833 (1989)