1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63540242
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Research Institution | YAMANASHI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鳥養 映子 山梨大学, 工学部, 助教授 (20188832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 教授 (50010947)
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Keywords | 表面磁性 / 粒子線 / ミュオンスピン緩和法 |
Research Abstract |
超低速ミユオンビ-ム開発の中心である東京大学中間子科学研究センタ-では、これまでの熱化ミュオン発生研究の成果や本研究の63年度の成果を踏まえて立案中であった、高強度超低速ミュオン発生装置の建設が認められ、本研究の分担者を中心に平成2年度の実現をめざした建設計画がスタ-トした。このために本研究で当初予定した微弱な試験ビ-ム発生による金属表面照射実験は困難となったが、この装置は本研究の完成と実用化にとっても、画期的な飛躍をもたらすものであるから、建設計画に全面的に協力すると共に、従来の表面ミュオンビ-ム(30MeV/c)の改良により表面磁性研究を目的として、層状試料による磁性単原子層のミュオンスピン緩和法(μSR)による研究を行った。 1.高強度超低速ミュオンビ-ム開発の推進 (1)高強度超低速ミュオン発生装置の基本設計: 熱化ミュオン原子のレ-ザ-解離法による熱化ミュオン生成についての基本設計を行った。 (2)常温SiO_2単結晶からの熱化ミュオン発生: (東京大学村田研究室との共同研究)単結晶Si表面上のSiO_2を用い熱化ミュオン原子発生の膜厚依存性を測定。ミュオン減速機構の解明に重要なデ-タを得た。 2.積層磁性単原子層のミュオンスピン緩和法による研究 (1)酸素単分子層における2次元磁性の研究: (東京大学寿栄松研究室との共同研究)剥離した層場グラファイト上に物理吸着することによって得られる酸素単分子層のμSR測定を行い、わずか2%の信号の中から12Kでの長距離磁気秩序の検出に成功した。 (2)人工格子合金を用いた磁性単原子層の研究: (京都大学新庄研究室との共同研究)カプトン上に蒸着したMnSbの人工格子のμSR 測定予備実験を行い、20%の効率でμSR測定が行えることを立証した。これにより、磁性単原子層の研究に大きな見通しが得られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Nagamine: "Ultra-slow Negative Muon Production via Muon Catalyzed Fusion" Proceedings of the Japan Academy. 65B(10). 225-228 (1989)
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[Publications] Y.Murakami,N.Metoki,H.Suematsu,E.Torikai and K.Nagamine: "The Magnetism of Oxygen MOnolayer on Graphite"