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1988 Fiscal Year Annual Research Report

固体NMRを用いた固体試料の微視的状態分析法の開発及び固体と溶液状態の構造の比較

Research Project

Project/Area Number 63540465
Research InstitutionKinki University

Principal Investigator

宗像 惠  近畿大学, 理工学部, 教授 (80090942)

KeywordsCd-113NMR / 固体NMR / Cd-配位子結合 / キレート環の歪み / Cd(II)錯体の構造 / 固体と溶液の構造
Research Abstract

(1)カドミウム錯体CdL_n(ClO_4)_2(L=ピリジン及びその誘導体、n=0〜6)、Cd(biL)_3(ClO_4)_2(biL=1、10-フェナントロリン及びその誘導体)を合成し、その固体^<113>Cd NMRを測定した。まず配位子の塩基性(pKa)と^<113>Cd NMRの化学シフト(δ)との関係について検討した。その結果、CdL_4錯体においてLのpKaが大きくなるにつれて^<113>Cd NMR化学シフトは低磁場シフトすることを明らかにした。Cd-配位子結合が強くなるほど低磁場シフトすることから、^<113>Cd NMRからCd-配位子結合を探ることができることを明きからにしたことは錯体化学における新しい方法論として注目される。一方、2-メチルピリジン、2、6-ジメチルピリジンなどの場合、メチル基の立体効果のためCd-N(ピリジン)結合が弱められることも^<113>Cd NMRから明らかにされた。次にジアミンの場合、キレート環の員数が5、6、7、8と増大するにつれてキレート環の歪みのためCd-N結合が弱くなることも明らかにされた。
(2)Cd(biL)_3(ClO_4)_2 (L=エチレンジアミン、2、2'-ビピリジン、1、10-フェナントロリンおよびその誘導体)の溶液および固体NMR化学シフトを測定し、その比較を行った。その結果、両者は実験誤差範囲内で一致することを見出した。溶液状態の溶媒効果、固体状態のパッキング効果はCd(biL)_3錯体の構造に本質的な影響を与えないことが理解される。Cd(biL)_3錯体の場合、結晶構造がそのまま溶液状態に適用できることが明らかにされたことは注目される。特に立体障害を有する2,9-ジメチル-1,10-フェナントロリンで溶液、固体の両方とも一致することは上記結論を強く示持するものである。
(3)Cd(biL)_3(ClO_4)_2錯体では溶液状態と固体状態の微視的構造の違いはないと結論した。この場合溶媒は水とアルコールである。
(4)CdX_n(X=Br^-、l^-、n=0〜4)の^<113>Cd NMRを溶液及び固体状態で測定し、CdX^+、CdX_2、CdX_3^-のシグナルを帰属することに成功した。又、CdX_3^-とCdX_4^<2->の間には極めて速い化学交換反応があることも明らかにした。

  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Publications (5 results)

  • [Publications] 宗像惠、北川進、下野寿夫、増田秀樹: Journal of Chemical Society.Chemical Communications. 1907-1910 (1988)

  • [Publications] 宗像惠、北川進、西井さとみ、太垣和一郎: 日本化学会誌. 640-647 (1988)

  • [Publications] 前川政彦、北川進、宗像惠: 日本化学会誌. 438-444 (1988)

  • [Publications] 松本澄、岡本忠、谷口陸平、宗像惠: Chemistry Express. 615-618 (1988)

  • [Publications] 宗像惠、北川進、下野寿夫、増田秀樹: Inorganic Chemistry. (1989)

URL: 

Published: 1990-03-20   Modified: 2016-04-21  

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